コラム コスメパーラー VOL.115 オリンピックにおけるアスリートメイクアップ進化のポイント

タイを拠点に活躍する美容研究家IKKYUUのビューティコラム Cosme parlor

VOL.115 オリンピックにおけるアスリートメイクアップ進化のポイント

 TOKYO OLYMPIC 2020 日本はメダルラッシュで世界 3 位の金メダルを獲得、メダル総数でも世界5位という史上最高の成績を残しました。メダリストの方々、残念ながら入賞やメダルを逃したアスリートの方々、また世界中からの選手を温かくおもてなしされて、世界中から大好評を得たボランティアの方々など、オリンピックに携わられた皆様のご活躍は素晴らしく、感動的でした。

 オリンピックにおいて、メイクがその採点に関与することをご存じですか?メイクが表現の一部として重要な種目は、アーティスティックスイミング、新体操、女子体操、空手女子形など技術的なことだけでなくアーテイステック(芸術的)な要素が採点される競技です。空手とメイクには関連性がないように思われますが、空手の形は、技の難易度、力強さ、形の美しさ、スピード、気迫、鋭さ、等の総合表現が採点に影響します。銀メダルの清水希容選手は、眉を太目に描き、目尻のアイラインもしっかりと短めに跳ね上げ、気迫と鋭さが表れて表情が大きく見えるように工夫されていました。アーティスティックスイミングの場合は、曲のイメージ表現に合わせた衣装とメイクを準備します。メイクは耐水性で、水中でも綺麗な発色をする化粧品をセレクトします。団体の場合は、選手全員の一重や二重、奥二重等の目の形や大きさ、眉の位置などの個性に合わせて、ラインの太さ、長さ、ノーズシャドウの濃さ等を調整して全員の顔を平均化して調和させるようにメイクを施します。個人戦では、顔の特徴を生かして、表現するイメージに合った個性的なメイクを施します。目鼻立ちがはっきりした顔が多い海外選手は、メイク映えしやすいので、それに負けない表情を作ることが大切です。

 私自身もミスコンテスト等のメイクの際には、出来る限り現場の状況を把握して、事前に審査員との距離やライティングなどを考慮してメイクを施していました。新体操やその他競技でも審査員との距離を考慮してメイクが施されています。選手がアップにされるとメイクに違和感を覚えられる方もおられると思いますが、それが理由です。近年では、他の競技のアスリートたちもメイクにこだわりイメージを大切にされる方が増えてきました。将来は男性アスリートもメイクにこだわるように変化していくと思います。

by IKKYUU 「美容研究家」

ハリウッド映画、ミュージックビデオ、CM等のメイクを実施。故ダイアナ妃、IMAN等のヘアスタイリスト KEVIN MICHAELS 氏のショーメイクを担当。タイの好感度No.1スーパーモデル“ルックゲイ”、NYのトップ10モデル“フローレンス”など世界で活躍するモデル、女優に美肌ケアを指導。現在は「成功ロゴマーク」の鑑定や制作、「おもてなし道」の講師としても活躍中。

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