コラム 海外暮らしのキャリアデザイン 第6回 何十年生きていても知らない、不都合な真実

海外暮らしのキャリアデザイン

第6回 何十年生きていても知らない、不都合な真実

突然ですが、あなたはどれだけ自分のことを知っていますか?

過去の私は、自分のことを「◯◯の妻」「□□会社勤務」といわゆる肩書きや経歴で理解していました。特に私は10年以上働いていた会社にいることを、自分を象るものとして強く認識していました。それが海外暮らしのタイミングで退職となり、そのことでアイデンティティが大きく揺らいだ経験があります。

それは、外向けの自分だけに頼ることの不確実さや、肩書きを失っただけでこんなにも揺らぐのかと痛感する出来事でした。

肩書きや経歴のような外的キャリアは、万人に説明しやすく、価値を感じやすいのですが、特にライフステージの変わる年代や転勤する方々にとっては、移ろいやすいもの。そんな揺らぎ要素の多い女性こそ、生きるための軸を自分の内側に持つことがとても大切だと感じています。

私たちは社会背景や教育の影響もあってか、「どうしたいか」より「どうすることが正解か」を考え、それにフィットするように生きてきた世代でもあります。そんな過去を否定する必要はありませんし、それが生き抜く術として必要でした。

でも一方で、これからをどう生きたいかを考えると、どうでしょうか。

理想のキャリア確立のためには、自分の内側に軸を育むことが欠かせません。それは世間一般的に良いとされている基準ではなく、自分自身の基準(価値観)を明確にすることです。

何十年とこの身体で生きていても、実は自分の心の声をよく理解していないもの。何が好きで、何が嫌いか。まわりに合わせるのではなく、私がどうしたいのか。

だから是非いつも聞いてほしいのです。

「私は、本当の本当はどうしたい?」

自分の価値観を基軸に、誰と比べることもない、心が満たされるキャリアを生きる女性が増えること。いつも心から応援しています!

by A i

2019 年~2022 年までバンコク在住。現在はマレーシア(クアラルンプール)で夫と小学生の娘と3 人暮らし。海外生活がスタートした時、新卒から 10 年以上働いていた会社を辞めたことでアイデンティティ・クライシスへ。肩書きなどに依存することなく自分を生きたいとコーチング、キャリアコンサルタントの学びを深め、現在は世界15カ国75名が参加する女性コミュニティを運営している

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