第05回 身体とクスリの事
人生で一番大切な事は? という質問の答えの中の一つに「健康」を掲げる人は多い。「元気があれば何でも出来る」という言葉は、まさに確信をついている。
長年付き合ってきた自分の身体はもちろん、この先も健康を維持したい。さらには、これから妊活出産を控えた人、子供やパートナーの健康管理など、その多くの役割を担う女性には知っておいてもらいたい基本。それは、「口から入れたものが身体をつくる」という事だ。
当たり前のような話だが、薬は身体をつくる材料ではないし、添加物や酸化したものは材料としては好ましくない。だが、日々の中で忘れがちになってはいないだろうか。こと薬に関しては、気になる光景を何度も見聞きしている。一つの例をあげると、慢性的な頭痛持ちだというある母親は、常に薬で一時的に痛みを解決している。ある日その母親の横で、くしゃみをした子供にも条件反射のように、「風邪薬を飲んでおこうね」と言ったのだった。私はなんとも言えない違和感を感じずにはいられなかった。
薬が全て悪い、と言っているのではない。もちろん私も痛みが辛い時には鎮痛剤を飲む。が、薬は身体をつくる材料ではなく、対処法だという事はわかっていて欲しい。鎮痛剤であれば、痛みを一定期間感じさせないよう、脳からの痛みの信号を止めて感覚を麻痺させているだけであり、何故そこが痛むのか、その原因は解決出来ていないのだ。薬に頼ると、より効くもの、より効果が持続するものが必要となっていくものだ。身体が出す信号を受け止め、原因を探り、次に痛みや症状が出ないための食生活こそが、「口から入れたものが身体をつくる」事の実践である。体質とは、身体に入れてきた材料の質だといっても過言ではないだろう。
そして身体にならなかった材料は、自然天然のものであれば、体外に排出されるが、科学的に合成されたものは身体にたまる。当然薬は排出される事はない。怖いことだ。知り合いの40 歳の男性は、子どもの頃から服用を続けていた薬が原因で、肝臓を病んだ経験を持っていた。その為、薬を飲むという事には慎重だった。
「口から入れたものが身体をつくる」たったそれだけを意識することで、手にとるものが変わるだろう。人の身体は60 兆個の細胞で出来ている。そしてそれらは日々入れ代わり続ける。子どもだけでなく成長が止まったかのように見える大人も同じだ。皮膚も目の粘膜や胃も骨も全てだ。身体に入れたものがそれぞれの場所で、どう作用し、働き、私達の一部になるか、身体について栄養や生理に目を向けると本当に良く出来ている事に気づく、同時に愛おしく思える。そうやって身体は時を重ねていくのだ。
健康で若々しい人には理由がある。
20 代女子が集まると恋愛の話、30 代女子が集まると会社または、夫の愚痴が話題の中心となる。それが40 代を超えると健康の話に花が咲く、と言われている。よかったら少し早めに咲かせてみてはいかがだろう。さて、今日は身体が喜ぶものを食べるとするか。
人生は続いていく、共に輝こう。
※身体のしくみ、栄養の話は毎週月曜日のラジオj-channel モーニングキス内で 朝8 時台に3 分程語っています。
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来タイ4年目! ライター、ラジオDJ、普段着物愛好家。着物をもっと身近なものにをモットーに、バンコクFM放送局J-channel、毎週月曜日Morning Kissには着物やゆかたで出演中。リクエスト、メッセージなど大歓迎です
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