コラム バンコクとあやさんと私 第30回 「田舎の生活と子ども」
第30回 「田舎の生活と子ども」
雨季も終わり、いよいよ乾季の到来です。今年の雨季はここ数年では珍しいほど、雨がよく降りましたね。10年ほど前は道路が今回のように軽い水没状態になることが度々あったのですが、最近はあまり無かったので、久しぶりにタイの雨季を実感しました。
そんな中、私ごとですがタイの田舎へ貧しい人々の実態調査に行ってきました。と言っても、今回お邪魔した場所よりさらに貧しい村は他にも沢山あります。まだまだタイではこれが庶民の生活の現実なのだと感じさせられます...。そして、あやさん達の実家も同じような状況にあると言ってよいでしょう。
ある学校を訪問させていただきました。ここは町でも大きい公立の学校です。話せばきりがありませんが、状況を先生からお聞きすると、親が出稼ぎに出ていたり、もしくは出稼ぎに出たまま帰って来なかったり、よく聞く話ですが祖父母に育てられていたりする家庭が多いとのこと。タイではこのような光景は珍しくありません。そして、子どもたちの家は遠く、スクールバスがなければ登校できない子どもが80%を占めています。しかし道は舗装されているわけでもなく、バスの維持も大変らしいです。両親や祖父母が仕事で夜中まで帰らず、夜ご飯も食べずに寝て翌朝学校に来る子どもや、小さな子供を連れて仕事に行けず、家に鍵を閉めて閉じ込めて行くケースもあるそう。
あやさん達も、子供を田舎の実家に預けていたり、一緒に住んでいても預ける人がいなかったり、預けるお金がなかったり...、それぞれ状況は違いますが、実態は悲惨です。実際に聞いたり見たりしてみないとわからないそれらの状況、そして私達日本人には、想像出来ない現実も多いことを改めて実感しました。
子どもを一人で家に残す状況は、決して安全とは言えず、危ない目に合うこともあるでしょう。近所にお店などもなく、不便な状況だと思います。また、ほとんどの人は農家で生計を立てているため、今年のように雨量が多いと災害も多く、お金に困ることに繋がります。自足自給生活を強いられ、学校に通う事もままならない子供達。だから、あやさんの仕事は大切な収入源なのです。あやさんに限らず、出稼ぎに来ているタイ人は皆、実家に仕送りをしながら何とか家族を支えているのです。
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チンチョ・プロフィール
在タイ20年以上の主婦。ひょんなことからあやさんと日本人奥様の仲介をすることに。バンコク滞在経験を生かして双方の相談に乗ったり、多くのトラブルに対応。そしてまさかの高齢出産。あやさんに助けられながら家事に育児にボランティアに奮闘中。
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