バンコク大気情報の報道

声が大きくなったり小さくなったりしながら、報道され続けているバンコクの大気汚染。

バンコクの大気汚染状況(指数)も、時々刻々と変わっていて、時に乱高下くらいの時もあります。バンコクの大気汚染状況と大気汚染指数が(なぜか今シーズンになって急に)報道され話題に上るようになってからマスク人気はうなぎのぼり。大気汚染指数が騒がれ始めてから、(やっと?) 特に防塵マスク (PM2.5対応) の人気が高まり、一時バンコクでは各種マスクの品切れ続出となりました。最近は在庫状況も落ち着いているようです。

余談

余談ですが、一足先にまとめて仕入れたようで、品切れの時にネットで高く売ろうとしていた人もいました。まだそのまま売っている人もいるのですが、最近では、スーパーや街の薬局で〇〇バーツだよ、みたいな(揶揄される)感じのコメントばかりになってました。

マスクする人

blog: mask大気汚染指数が高いと報道されるようになってから、急に日本人タイ人欧米人各国人問わず街中にマスクしている人が増えました。

この騒ぎのおかげで、急に(という印象ですが)バンコクでも入手できるマスクの種類がかなり増え、取り扱っているお店も増えました。ついでに「マスクしてたら日本人」というジョークと言うか揶揄されていたのも聞かれなくなりました。

指数をチェックすることが当たり前になったようで、大気汚染指数に応じて、街でマスクをしている人の数も増減します。しばらく指数もほどほどで落ち着いていたせいか、街でマスクをしている人も少なくなったというか、元通りになったという感じです。これから徐々にまた増えてくると思われます。

マスクの種類?

PM2.5対応が日本で売られている各種マスクでは当たり前になっているようですが、タイではまだ、主流は一般的な「サージカルマスク」と呼ばれるタイプのものです。これは、ドラッグストア始め、色々なところで手に入ります。

PM2.5は微小粒子状物質で、直径が大体2.5マイクロメートル以下のものを指します。

マイクロメートル: μm
1μm = 1/1000 mm (千分の1ミリメートル)

PM2.5が、特に健康に悪いと言われています。

ものすごくざっくりですが、PM2.5 を防ぐことができれば、それより大きいサイズのものはまず防ぐことができる、と考えることができます。

一般的に販売されているマスクにも種類があります。最近よく言われるN95マスクは、米国の基準(米国労働安全衛生研究所(NIOSH)の規格)N95を満たすマスクということです。規格によれば「0.1~0.3μmの微粒子(個体試験粒子)を95%以上除去できる性能」となります。

N95は、米国労働安全衛生研究所(NIOSH)のN95規格対応ですね。(Nは耐油性がないこと。医療現場でも要求されていません)

同等のものに、日本の国家検定区分のDS2 があります。0.06~0.1μm の個体試験粒子を95%以上除去できる性能です。

blog: mask
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朝は良かったのに、昼過ぎになって急に大気汚染指数が上がっちゃったから心配
急にチェンマイに行くことになったけど、PM2.5対応マスク持ってない

状況は色々あるとは思いますが、使いたいときに対応マスクを持っていない場面も出てくるかと思います。

どうしましょう?

とりあえず、その辺ですぐ手に入る安いいつもの(風邪の時などに使う)マスク買って気休めにする?

余談2

バンコクでも、各種出回るようになった「PM2.5対応」「N95」マスク。残念ながら既に偽物が確認されています。N95マスクでは特に3M社製のものです。3Mロゴが本物より細身だったり、ロゴや規格値の印刷が荒い、という特徴があります。実際の製品もですが、購入場所にも気をつけるなど、自衛手段をとってくださいね。

マスクに関するレポート

さて、大気汚染状況が悪ければマスクをしたくなるとは思います。高性能マスクが入手できないかもしれない。と心配する方も多いのか? そこはわかりませんが、タマサート大学公衆衛生学部による、市販のマスクの防塵性能についてのレポートがあります。

検査対象はPM2.5です。

タマサート大学で行った検査レポートによれば、各種マスクのPM2.5捕集率は、現実値として以下のようになりました。

N95マスク: 99.6%
サージカルマスク: 66.4%
サージカルマスク2枚重ね: 89.8%
サージカルマスクにティッシュを1枚重ねる: 98.0%
サージカルマスクにティッシュを2枚重ねる: 67.0%

画像右端のサージカルマスク+ティッシュ2枚 の数字は間違いではありません。
レポートによれば、マスクの層が増えることにより、外気(汚染大気)が溜まりやすくなり、このような結果になるとのこと。

サージカルマスクに、ティッシュか重ねられるタイプのフィルターを使うことで、98%と実質N95・DS2規格を満たす防塵性能が得られることになります。また、サージカルマスク2枚重ねでも、近い性能が得られます。

↓ とても重要! ↓

フィットしている?

なお、これらはあくまでも、マスクのフィルター機能部分の防塵性能を示すものです。
N95や、あるいは、99.97%以上の捕集性能を持つN100マスクだとしても顔に合っていなければ、外気を直接そのまま呼吸しているのと変わらないということになってしまいます。

blog: mask

子供に限らず、こんな風にマスクをしている人を時々見かけます。これは本人からの飛沫(感染)を防ぐ目的の場合にはまぁアリですが、他からの感染を防いだり、今回の話題のように防塵を目的とする場合には、まったく意味がなくなってしまいます。息苦しく感じるのはわかりますが、なんのためのマスクか、ですよね。

blog: maskマスクの使用は、いかに顔にフィットするか(させるか)です。どんなにマスク自体の防塵性能が高くても(最高位規格の100%を満たしていても)、顔にフィットしていなければ、つまり隙間がある状態でマスクを着用しているのでは、その防塵性能は活かされません。着用の癖によっては、N95マスクよりも、サージカルマスク2枚重ねの方が効果的な方もいるかもしれませんよ...

エコ的にはもちろん使い捨てマスクよりは繰り返し使用可能なものの方がいいですが、ここでのマスク利用の主目的は有害物質を防ぐこと。使い勝手、入手のしやすさ、性能など、各自の優先事項に基づいてどう使うか決めてくださいね。

そして...

2月後半は南風のおかげでバンコクの指数もだいぶ下がって落ち着いていましたが、また徐々に悪化しています。今日の時点では「敏感な人には健康に良くない状態」となっていて、良くて現状維持、もしかすると悪化、という予報です。これから暑季にかけて、雨季になるまでは大気汚染指数も上がってくると思います。

また指数が上がって、またマスクが品切れ?? となっても慌てないようにしましょうね。

P.S.

大気汚染指数が知りたい方は、こちらで紹介しています。

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