2020年12月26日金環食

今日は中東からアジア、西太平洋で日食です。
バンコクでは、

開始 10:18:29
食の最大 12:05:2756.93%
終了 13:57:47

計3時間39分18秒の天文ショーですね。

バンコクでは、ちょうど一般的なお昼休みの時間です。ぜひ外に出てみましょう。

但し

直接太陽を見ることのないように!!!

まぶしくなくても、目には見えない紫外線や赤外線で目を傷めてしまいます。専用の眼鏡がなくても、ピンポールなどを使って観察できますし、直接見ないようにしながらカメラを使うこともできますね。

シンガポールなどでは皆既日食時には金環食となり、

開始 11:27:09
最大食開始 13:22:43
食の最大 13:23:42
最大食終了 13:24:41
食の終了 15:18:26

計3時間51分17秒かかります。

東京では最大26.95%、日食の終了と同時に日没を迎えるタイミングです。東京より東側では、部分日食中に日が沈みますね。

金環蝕が見られるのは、近隣では、シンガポール、マレーシアのクチンなどです。ジョホールバルでは皆既日食にはならず、最大で94.14%の部分日食です。

豆知識 その1: 日食と月食どっちが多い?

日食と月食がありますが、月食の方がよく見ますよね。TVやらで聞くことも多いような気がする?

実際に地球上で観測可能な日食と月食の回数を見てみると、実は日食の方が多いのです。ご存知でしたか? ですが、観測チャンスとしては、月食の方が多い、と言うよりは大きい、と言うべきでしょうか。

それは、日食と月食の仕組みの違いにあります。

日食は、太陽そのものを月が隠す現象。月食は、太陽の光に対して月が地球の影に入る現象。

例えて言えば、木陰の葉を通した太陽を見るか、地面に映った木の影を見ているかの違い。

木の葉を通した太陽は、その木の陰にピンポイントで入らなければ見ることができませんが(オレンジの丸の風景=木陰を通した太陽を見ることができる⇒日食を見ることができる人)、地面に映った木の影は、その地面が見える範囲であればどこからでもみることができます(紫の丸の風景=木の影を見ることができる⇒日食を見ることができる人)。

つまり同じ現象を観測可能な場所(= 同じ風景を見ることができる場所)が広いかどうかによります。

eclipse
eclipse

豆知識 その2: 皆既日食と金環食

金環食は、食の最大時に月の影の周りを太陽が縁取る現象。月と地球の距離によって、月が遠く太陽の地球から見えるサイズよりも月の見えるサイズが小さくなる時に起こります。

月が近い時は、月の目視サイズ(地球から見えるサイズ)が大きくなりますので、太陽と重なった時には完全に太陽を隠します。この時に見られる現象、ダイヤモンドリングは有名ですね。皆既日食の前後、月の山海の隙間からだけ太陽が覗き、一瞬そこだけ輝く現象です。

おまけ: 次のチャンスは?

さて、アジアで見られる

次の日食は、
2020年6月21日

アフリカから北・東南アジアを通ります。バンコクでは最大食40%弱で観測できます。東京ではまた夕方日没前の日食になります。

次回の皆既月食は
2021年5月26日

太平洋を中心に観測できます。東京では皆既月食を観測できますが、バンコクでは、皆既月食の時にはまだ月が出ていないため、月食中に月が出て(月出帯食)、月食の後半が観測できる状態できます。その次もバンコクでは月出帯食で皆既月食中の月の出になり、「まともに」皆既月食が観測できるのは、2025年になります。ちょっと先ですね。

※2020年は、月食の半影食が3回あります。これは地球の本影にまでは入らず、半影の部分(月にいる人から見たら、太陽が地球に隠された部分日食の状態)のため、完全には暗くなりません。目視で月食を観測するのは難しいですが、興味のある方は調べてみてください。目視に限らず観測の方法はあります。

日食、月食は、広大な宇宙で天体の動きが微妙に絡むことで起きる現象。そう想像するだけでも気持ちが日常を少し離れることができそうです。たまには広い宇宙に想いを馳せてみませんか?

画像出典: Pixabay