
ロイ クラトン – Loi Krathong – にまつわる言葉 3つ4つ
タイトル画像:flickr.com/photos/cm_john/10957919156/
いよいよロイクラトンが迫ってきました。今年はタイの暦の満月の日22日になっているとのこと。
ロイクラトンとかチェンマイのコムロイとか、色々な言い方をする人がいて、混乱したりしたことはありませんか?
私はしてました、と言うか、してます (笑)。
ので、ちょっとだけ予習。この時期飛び交う言葉を、備忘録を兼ねてもう一度整理しておこうと思います。
ところで、2018年、バンコクのロイクラトンも、22日なのか、23日なのか、タイ人の中でも言うことが違ったりしてました。面白いですね~。その日になってやってるようなら行く、という人もいました。
ロイクラトン [Loi Krathong, ลอยกระทง (Loi Krathong)]
お祭り(宗教行事)の名称
タイ陰暦12月の満月の日に行われ、仏陀と川の神様・精霊に感謝し祈りを捧げる伝統的なお祭りです。この時に、伝統的にはバナナの葉で作ったフロート(クラトン)にお供え物と花を飾り、タイのお線香を刺したものを川に流します。
日本の精霊流しにも例えられますが、実際の目的は少し違いますね。
精霊流しは亡くなった人を送るための意味合いが強いのに対し、ロイクラトンは感謝する意味合いの方が強いと思います。
この灯籠を流すことで、魂を清めるという意味もあるとか。全国各地でお祭りが行われ、パレードが行われる場所もあります。特にロイクラトンのお祭りが有名な地域もいくつかありますね。そのいくつかはパレードが有名とのこと。
タイのカップルにとっては、この日は他のどんな行事の日よりも二人にはとても大事だとも聞きます。
タイ語のロイは浮かべると言う意味、クラトンはこの灯籠(フロート)の名称です。灯籠を浮かべるお祭り、そのままの意味ですね。
クラトン [leaves-made container/float/floating basket, กระทง (krathong)]
灯籠
伝統的にはバナナの葉で蓮の形に作り、お供え物・花・タイのお線香(棒タイプのインセンスみたいなもの)・蝋燭を飾ります。中には川の神様へのお賽銭も載せることもあるそうです。
灯籠と表現されますが、クラトンそのものには、日本のもの(灯籠)のように灯りを灯す仕組みはありません。
バナナの葉製、発泡スチロールやスタイロフォームなどのプラスチック素材のもの、近年ではパンで出来たもの、があります。上に書いたように、本来はバナナの葉製で、川海でも、いずれ自然に還るものです。今一番多いのは、プラスチック系素材のものでしょうか。これが近年では環境への影響が問題になっていることは想像に難くないと思います。
そのせいもあるのか、年々増えて来ているのがパン製。これは2-3日で水に溶けてしまうと共にに、川や池、海の魚の餌となるとされています。有機物で出来ている以上、少なくともプラスチック系素材のものよりは自然に還りやすいですね。

Loi Krathong

Krathong
イーペン [Yi Peng/Yee Peng, ยี่เป็ง (Yi Peng)]
お祭り(宗教行事)の名称
ランナー王朝で使われていたタイ旧暦の2月の満月の日に行われ、仏陀を奉るランナー朝から続くお祭りです。イー は「2」、ペンは「満月の日」の意味とのことです。2回目の満月の日と言う意味になるのですね。北部では、この日を挟んで3日間行われるようです。チェンマイでは、ランタンを街中に飾り、ランタンで飾った美しいフロートのパレードが有名ですね。
イーペン祭りでは仏陀に祈る宗教儀式の後、コムロイ(天灯)を願い事・祈り事と共に打ち上げます。ディズニーアニメ映画ラプンツェル(Tangled)の1シーンのモデルになったとも言われているお祭り・シーンです。
余談ですが、公式にイーペン祭がラプンツェルのモデルだと言われたことはないようです。そう言っている第三者は多いですが。このため他の国の天灯をうちあげるお祭りも、映画のモデルだと言われているところも何カ所もあるようですよ。
この、ロイクラトンの「陰暦12月の満月の日」と、イーペンの「タイ旧暦2月の満月の日」がたまたま同じ日にあたるのです。そのため、チェンマイ(ランナー王朝の伝統を引き継ぐエリア)では、二つのお祭りを同時に行う形になっています。
※ここを外国人が一緒にしているので、余計に混乱しているのだと、個人的には思ってます。同じ意味で使っていたり、チェンマイではイーペン祭りと呼ばれている、といった記述もあります。
コムロイ(コムローイ)祭りとも呼ぶ人がいるようですが、日本語だけの俗称じゃないかと思います。日本語としては、同じ「ロイ」が付いているのでごっちゃにしてしまいがちなんじゃないかと思います。英語表記でも、コムロイ祭りに当たる表現はほとんどありません。
コムロイ(コムローイ) [sky lanterns, โคมลอย (Khom Loi)]
天灯
コムは、ランタン、ロイは浮かべる、の意味です。文字通り、空に浮かべるランタンです。
木もしくは竹の骨組みに紙を貼った熱気球の仕組みのランタンで、火をつけると高く上ります。タイに限らず、アジアでは広く使われています。
タイでは、実は、イーペンのお祭りだけでなく、折々に願いを込めて打ち上げます。新年の年越しには、特に海の近くでは、コムロイがぽつぽつと打ち上げられ、空を漂う光景を見ることも多いです。

Yi Peng

Khom Loi
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