特集記事 バンコク近郊★観光地巡り(後編)

バンコク近郊★観光地巡り(後編)

バンコクから車で回れる観光スポットをご紹介します。
日帰り、1泊、2泊ぐらいで行ける、ローカルのタイ人にも人気のスポットや
子供が喜ぶ施設、お勧めのホテルなど、前編では、カオヤイ、アンパワー方面を巡ります。

●取材協力:旅わ~るど

注意:掲載している店舗や博物館などは、時期によって営業時間が異なることがありますので、事前にご確認ください

バンコク近郊★おすすめ観光地

Kanchanaburi

[カンチャナブリー]

クウェー川を挟んで続く渓谷、滝や温泉、そしてジャングル、と大自然を堪能することのできるカンチャナブリ―。第二次世界大戦時、旧日本軍が泰緬鉄道を敷設した地でもあり、現在もタイ国鉄として運行しています。

カンチャナブリー駅~タムカセー駅

Ban Tai, Mueang Kanchanaburi District, Kanchanaburi
Lum Sum, Sai Yok District, Kanchanaburi

まずはバンコクから車で約3時間。クウェー・ヤイ川に架かる鉄橋へ。映画「戦場に架ける橋」の舞台としても知られるこの場所には、過酷な状況下で泰緬鉄道敷設に従事した人々を弔う慰霊碑や軍人墓地、戦争博物館などがあります。カンチャナブリー駅にも近いので、列車に乗る前に時間があれば立ち寄ってみてください。

1. クウェー川鉄橋

2. 駅前広場に展示された旧日本国鉄のC56型蒸気機関車

3. カンチャナブリー駅の様子。売店やトイレがあります

4. 泰緬鉄道敷設に関わり、事故や感染病などで命を落とした人々を慰霊するため、旧日本軍によって建てられた慰霊塔

タイ・ビルマ鉄道センター

73 Jaokannun Road, Ban Nua, Amphoe Muang, Kanchanaburi

1年4ヶ月に渡る泰緬鉄道敷設の際、現場では実際に何が起こったのか? 事実を公平に伝える努力をしている博物館。オーストラリア人の歴史研究者が設立し、入場料の一部は研究費として寄付されます。場所は連合軍墓地の隣。

アートギャラリー&戦争博物館

Ban Tai Muang Kanchanaburi, Kanchanaburi

オニキスの産地でもあるカンチャナブリーで、宝石商を営むオーナーが個人的に収集した美術品と戦争関連の品を展示している博物館。屋外には、日本軍が3ヶ月で完成させたというクウェー川鉄橋(木造)の残骸も。

アルヒル桟道橋とカセー洞窟

Lum Sum, Sai Yok District, Kanchanaburi

列車でタムカセー駅に着いたら、線路を数十メートル徒歩で戻り、泰緬鉄道敷設3大難所の一つ、アルヒル桟道を訪れましょう。断崖絶壁に敷かれた線路と川の景色は圧巻。線路敷設中、多くの犠牲者が出たこともあり、当時、療養所として使われていた洞窟には、鎮魂の為の仏像が鎮座しています。

列車が来ない間は、線路を歩くことが出来ます

タムカセー(Tham Krasae)レストラン

Lum Sum, Sai Yok District, Kanchanaburi

アルヒル桟道橋を一望できるタイレストラン。川に面したカウンター席でドリンクを飲んで一休み。ソムタムやパッタイなど簡単な食事をとって、次の観光地へ向かうのもお勧め。

ワン・ポー(Wang Pho)エレファントキャンプ

Moo 1/92 Lum Sum, Sai Yok District, Kanchanaburi

餌やり、トレッキングはもちろん、象と一緒に川で水浴びをすることも出来るエレファントキャンプ。小象が鼻を揺らして遊ぶ姿が可愛い。因みに、象の世話をしたり、一緒に水浴びをするアクティビティは、バカンスでタイを訪れる欧米人ファミリーに人気があります。

サイヨークノイ滝(Sai Yok Noi)

Tha Sao, Sai Yok District, Kanchanaburi

アクセスの良い場所にあり、ちょっとした空き時間に寄れる綺麗な滝。遊歩道も美しく整備されています。またサイヨークノイは、かつて泰緬鉄道の停車場があった場所でもあり、線路が残る跡地を見る事ができます。旧日本軍が使用していた日本製の蒸気機関車(C56)がここにも。

ロックバレー(Rock Valley) 温泉施設

74/12 Moo 4, Tha Sao, Sai Yok District, Kanchanaburi

地下から湧き出る天然水に、ハーブやコーヒーなど健康に良い有効成分を混ぜた露天風呂が14種類程度並ぶ施設。身体に巻く布とタオルの貸し出しがあるので、準備していく物は特に必要ありません。更衣室も綺麗で清潔。

ヘルファイヤーパス(Hellfire Pass)

207 Moo 11, Tha Sao, Sai Yok District, Kanchanaburi

泰緬鉄道敷設において最も苦戦したと言われるヘルファイヤーパス。現在、タイ陸軍の敷地となっており、その中にオーストラリア出資による歴史伝承センターがあります。ジャングルと岩山を切り拓いて415㎞の線路を1年4ヶ月で敷設するという過酷なプロジェクトの一端を垣間見ることができるはず。

カンチャナブリーサファリパーク

Nong Kum, Bo Phloi District, Kanchanaburi

バスの窓から、ラクダやキリンが頭を入れて餌を求めて来るという、驚きのサファリパーク。ヒョウやトラなど肉食動物エリアではバスの窓を閉め、草食動物エリアでは窓を開けて餌やリが出来る仕組みになっています。また、トラの赤ちゃんにミルクをあげるコーナーや、レベルの高いエレファントショーなどもあり一見の価値あり。

キーリーマントラ (Keeree Mantra) レストラン

88/8 Moo 4, Saengchuto Road, Nong Bua, Kanchanaburi

まるでゴルフ場のように広大かつ美しく整備された緑に囲まれたレストラン。山や湖、噴水を眺めながら食事を楽しむことが出来ます。一角にはガラス張りのテラスがある抹茶カフェや、自転車で行き来できる散歩道もあり、タイ人の間で話題となっています。

1. 地元産の川魚「プラーチョン」の丸揚げ、スパイシーマンゴーサラダ添え

2. 炭火焼魚のチリペースト、ナムプリック「Ta-Ra」と、淡水貝「HoiKhom」のレッドカレー

3. プラーチョン入りホーモック

4. レストランからの風景

ムアンマリカ (Muang Mallika)

168 Sing, Sai Yok District, Kanchanaburi

タイの民主化が進んだ1905年、ラマ5世時代のタイを再現したテーマパーク。当時の都会の生活から田舎の生活まで体感することのできるユニークな施設となっており、商店では買い物や食事をすることができます。また、タイ衣装の貸し出しや、人力車でパークを回るサービス、歴史を伝える展示室などもあります。

ワット・タムスア(Wat Tham Suea)

Muang Chum, Tha Muang District, Kanchanaburi

50年ほど前、水田に囲まれた丘の上に建てられた寺院。急勾配な坂をケーブルカーで登るのがアトラクションのようで楽しい。上に着くと金色の大仏と本殿、中華系のお寺などがあります。

旅行会社「旅わ~るど」のオススメリゾート 1

HOME PHUTOEY RIVER KWAI RESORT

118 Moo 8, Tha Sao, Sai Yok, Kanchanaburi

クウェー川を臨む自然豊かな土地に、カントリースタイルのログハウスをイメージした客室が並ぶホーム・プトーイ・リバー・クワイリゾート。温泉水の露天風呂が付いたヴィラや温泉プールがあることでも有名。第二次世界大戦とカンチャナブリーの歴史を記録し伝えていくというテーマを持つ「SERENATA Hotels & Resorts Group」が運営するホテルの一軒となっており、敷地内に泰緬鉄道関連のギャラリーがあります。

1. クウェー川を見下ろす絶景ビューのレストランで朝食。こちらのレストランには洋食とタイ料理が揃っており、カクテルも楽しむことが出来ます

2. リバービュー温泉ヴィラの寝室

3. リバービュー温泉ヴィラのベランダに配された露天風呂。この他、リバービューデラックスも人気

4. 湖に面した温泉インフィニティプール

5. 温泉プールの隣には足湯コーナーも。39℃、40℃、41℃に分かれて3つの湯が用意されています

6. 敷地の一角にはオーナーが買い付けたヴィンテージの機関車が。DeathRailwayとも呼ばれる泰緬鉄道を連想させます

6. 敷地の一角にはオーナーが買い付けたヴィンテージの機関車が。DeathRailwayとも呼ばれる泰緬鉄道を連想させます

姉妹リゾート

FLOAT HOUSE RIVER KWAI

ホーム・プトーイからボートで川を少し下った所にあるフローティングタイプのホテル。川の上に浮いているのがカンチャナブリーならでは! というイメージで人気。

旅行会社「旅わ~るど」のオススメリゾート 2

Hintok River Camp at Hellfire Pass

109 Ban Had Ngew, Tha Sao, Sai Yok, Kanchanaburi

タイでグランピングといえばヒントック、と言われるほど有名なリゾート。客室は全室シャワー・トイレ付きのテントスタイルとなっています。こちらは前述のヘルファイヤーパスに隣接しており、第二次世界大戦時にはイギリス兵捕虜のキャンプ地となっていました。ホーム・プトーイと同じく、「SERENATA Hotels & Resorts Group」が運営しています。

1. 客室外観

2. ハンドメイドのカーペットがお洒落な寝室

3. バスルームも綺麗で快適

クウェー川とジャングル、非日常の空間を満喫!

ヒントックが選ばれる理由の一つが、リゾートの周りに広がる雄大な景色。天然水のプールや、クウェー川に浮くフローティングテラスを楽しんで。

4. 船着き場に隣接するフローティングテラス

5. 天然水のプールは2段になっています

6. 絶景ビューのカフェテラス

7. サイクリングを楽しむゲストも多い

8. BBQビュッフェディナーではキャンプファイアーも

9. 敷地内にある戦争博物館

10. 朝食はクウェー川ビューのレストランで

~カンチャナブリーの特集記事に寄せて~

今回、カンチャナブリーを特集するにあたり、機関車C5631号保存会の林逸紀様より、WOM読者の皆様へ、メッセージをいただきました。ご寄稿ありがとうございます。

タイ国内には日本製の蒸気機関車が、実際に走行するものから公園に静態保存されているものまでたくさんあります。それらの来歴や由緒を現地にお住まいの皆様は、どのくらいご存知でしょうか。

この度ご紹介された鉄道やそれに関する機関車は、すべて今からおよそ80年前の日本が戦った戦争に由来します。「泰緬鉄道」は、戦時中の日本軍によって建設されたもので、その工事でおびただしい数の犠牲者を出しました。その事実から名付けられた「Death Railway(死の鉄道)」という呼び名は、世界中の人に知られています。

カンチャナブリー駅前広場に置かれた日本製機関車

戦後80年間、私たち日本人は平和な時代を歩んできました。しかしその反面、戦争中にあった重大な出来事や、他国に残した戦争の傷跡を忘れてしまっています。当時の様子をもっともよく知る日本の元軍人の方々は、戦争の悲惨さを日本人自身が忘れることがないようにと、記憶をつなぐための活動を行ってこられました。タイや日本国内にあるC56形機関車の一部も戦場に駆り出された車両であり、その活動の一環で保存されたものです。戦場を駆け抜けた機関車たちは、平和の尊さを後世の私たちに伝える役目を引き継いだ“語り部"であるとも言えます。

映画「戦場に架ける橋」で有名な鉄橋

私たちの保存会は、戦後、タイから帰還し、現在も靖国神社に静態保存されている機関車C5631号を通じて、国内外の人々に平和の尊さを伝える活動を行っています。

来年は、泰緬鉄道が建設されて80年の節目を迎えます。犠牲者を追悼する行事が、鉄道に関係の深いタイ、イギリス、オーストラリアなどの国々で行われることでしょう。当時の様子を知る人がほとんどいなくなった現代において、私たち日本人はこの鉄道にどのように向き合うべきなのでしょうか。ぜひ皆様と一緒に考えていきたいと思っています。

 

機関車C5631号保存会 林 逸紀

HP: 機関車C5631号保存会
FB: 泰緬鉄道―C5631機関車保存会(ID: c5631locomotive)

サイヨークノイ滝に置かれたC56とタイの僧侶

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by WOM 編集部

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