コラム ワールド通信 ディープなタイを探す日々

タイ・ハジャイ

 こんにちは。タイ料理研究家&フードコーディネーターの両角舞と申します。以前、日本からワールド通信に投稿し、「もっとディープにタイと関わりたい」などと書いておりましたら、ついにタイ在住と相成りました! 現在、タイ南部ソンクラー県のハジャイで日本食レストランのスタッフトレーニングとメニュー開発に携わっています。ハジャイはバンコクに比べ、だいぶのんびりしています。夜、お店が閉まるのも早いし屋台の数も少ないし、街には象が歩いているしタクシーが全然走っていません…。そして女の子たちのメイクが素朴でかわいい(笑) バンコクしか知らなかった私にとって驚きと発見の連続です。
 
 週末にはマレーシアから観光バスが続々と訪れ、マレーシア人のお客様たちで賑わいます。街自体にイスラム教徒の方が多いのでハラールフードがたくさんあるのも特徴。お店で売っているお砂糖やお米などにもハラール認証マークがついています。ハラールの屋台ごはんはヘルシーなものが多く、私はかなりお気に入り。そう、同じタイでもまるで別の国に来たみたいな印象です。仕事をしているレストランは日本人の社長を初め私も含めて4名が日本人、その他20名余りがタイ人です。日本のメニューなので、天ぷら、刺身、とんかつ、カレーライスなどのラインナップなのですが、タイ人スタッフがレシピを一生懸命覚えてくれて本当に感激です。おいしい、きれい、熱々、というレベルを高めに設定しているのできっと難しいこと、理解できないこともあるだろうに、みんな頑張ってイープンスタイルについてきてくれます。私はときどき厳しく叱ったりもするけれど、素直に聞き入れてくれるのでとても可愛い。調理学校で先生をしていた時と同じ感覚になります。きっとみんなと離れるとは悲しくなるだろうなあと今から想像したり…。
 
 国は違えど何かを一生懸命学びたい、おいしいものを作りたい、きれいに盛り付けたいという思いは同じ、それが嬉しい。彼らが数年後に素晴らしい料理人、サービスマンになっていたらいいなあと思います。
 
 私も彼らからタイ語やおいしいタイの食べ物や安いお店を教えてもらったり、冗談を言い合ったりお菓子を分け合ったり、たくさんの事を受け取っています。こうしてタイで一緒に過ごすのも運命。お互い成長しつつ美味しいものを作り続けていけたら嬉しい。さらにディープなタイを探す日々です。

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