コラム バンコクとあやさんと私 第46回 住み込みのあやさん

バンコクとあやさんと私

第46回 住み込みのあやさん

最近、あやさんの雇用形態はパートタイムでの雇用が増えています。バンコクに住む日本人の数はかなり増えている思いますが、それに対し、あやさんの雇用を検討されている方は減少傾向にあると感じます。新しいコンドミニアムにはあやさんの居場所となる専用部屋がなかったり、コンドミニアムそのものが自分で掃除できるぐらいコンパクトだったり、日本人駐在員家庭への待遇自体が昔ほど手厚くなかったり、原因はいろいろですね。
そのため、住み込みのあやさんの中には、ずっと住み込みで働いてきたのに、パートタイムに切り替える、という人も増えています。そうしないと自分達の生活が成り立たないからです。彼女達の考え方としては、とりあえず来た仕事を受けてみる、さらに時間があればそこで出来そうな仕事を探す。という人が多いです。とはいえ、皆が皆それが長続きするかというと...

これは私が知っているあやさんの話ですが、昔からずっと住み込みで働いてきた彼女。新しい雇用者にパートタイムで、と頼まれ、条件が良かったので引き受けました。その雇用者は彼女をたいへん気に入っていたため、アパートを借りてあげ、自転車も買い与え、彼女も何軒か掛け持ちで仕事をしていました。しかし結局続きませんでした。日本語が堪能で日本料理もでき、控えめな感じの良いあやさんでしたが、自転車で通わなければいけない距離だったこと、借りてあげた部屋の光熱費や水代、その他いろいろな経費があやさんの負担になってしまったこと、などが原因だと思います。彼女は通勤と仕事の多さに疲れ、新しい就職先を見つけて辞めて行きました。同じような例が他にも沢山あります。
年齢やあやさんの状況にもよるのですが、ずっと住み込みで働いてきた人は、寝て起きたらそこは職場。掛かるのは食費だけ、それも大した金額じゃない(米は雇用者から支給)。そんな環境で長年働いてきた人が急に通勤を強いられたら、ストレスが生じるのも無理はありません。さらにパートタイムで掛け持ちしたら、短時間で仕事
を終わらせ、また移動、と大忙しです。
一日仕事に慣れているあやさん、パートタイムに慣れているあやさん、それぞれリズムがあります。私は基本的に、今まで働いてきた体制を崩さない方が無難だと思っています。これからあやさん探しをされる方、面接する際のポイントにして頂ければ幸いです。

チンチョ・プロフィール

在タイ20年以上の主婦。ひょんなことからあやさんと日本人奥様の仲介をすることに。バンコク滞在経験を生かして双方の相談に乗ったり、多くのトラブルに対応。そしてまさかの高齢出産。あやさんに助けられながら家事に育児にボランティアに奮闘中。

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