Vol.Vol.62-2
季節
▲ 駒場キャンパス時計台 (国の登録有形文化財)
▲ 浜離宮庭園の菜の花畑
by
東京大学大学院総合文化 研究科博士後期課程(文化 人類学)/文化人類学的視 点 か ら「 舞 踊 」を 研 究 し 、 2013年より一年間、タイでク ラッシック・バレエのフィールドワ ー ク を 行 う 。大 の お 茶 好 き で 、趣 味 は サ イ ク リ ン グ、キャンプ、写真、読書など。
日本・東京
昨年の3月から今年の3月まで研究のためバンコクで過ごしました。一年ぶりに戻った日本はとても寒く、一年前にタイへと出発した日のことを思い出しました。出発した時はスーツケースの重量が32Kgと一眼レフカメラ、パソコンその他の手荷物だったのですが、帰りは(航空便で先に20Kgの荷物を送ったこともあって)、無事20Kgと手荷物に納まりました。帰国した時の気温はわずかに5°C、雪も舞っていたので、文字どおり身が引き締まる…というよりは身が凍える思いでした。
東京に戻ってからは、一年間に蓄積した膨大なデータ(フィールドノート、写真、ビデオ、インタビューなどの一連の情報)の整理に追われています。今後はこのデータを使って博士論文を書いていくのですが、まずはデータの整理・分析を終わらせないといけません。一年分なので、どれだけの時間がかかるのか考えただけで怖しいですが(笑)
ところで、大学院生の生活ってあまり馴染みがないかもしれませんが、私の場合は大学に行く日は一日のほとんどを駒場キャンパスで過ごします。ゼミなどの授業の準備はもちろん研究のため図書館やオンラインでの文献探しに結構な時間を費やします。その他にも、学部の授業をティーチングアシスタント(TA)として補佐したりもします。その他、大学院での活動以外にも所属学会の活動などがあるので、「大学院生は授業もあまりないし何となく暇そう」という世間一般のイメージとは裏腹にかなり忙しい生活を送っています。そんな私の直近の目標はもちろん博士論文の完成ですが、その後は大学で文化人類学を教えることで自分の知識・経験などを広く社会の役に立てたいと思っています。
この原稿を書いている時点では東京はまだ肌寒いのですが、三寒四温でだんだん春めいてきています。そんな中、先日パリから友人が仕事で東京へ来ていたので、東京を案内することに。天気も良く早春の日差しに包まれ絶好の散策日和だったので、東京散策へ!友人が何度も東京へ来たことがあったため、まだ行ったことがない所へ連れて行こうと、一昨年に保存復元工事が終わった東京駅丸の内駅舎を起点に、皇居外苑へと歩みを進め、秋葉原、汐留などを散策し、菜の花が満開の浜離宮庭園ではついでに茶道体験も!
友人と散策して再認識したのですが、日本は何と視覚的に季節を感じやすい所なのでしょうか。旧暦では二十四節気と七十二候と言われるほど、多様な季節の移り変わりがありますし、視覚だけでなくまさに五感で季節を感じられます。一方タイは日本ほど季節の移り変わり目がハッキリしていないものの(常夏ですし)、それなりに季節の変化はあるのだと一年間住んでみて感じました。