コラム 30歳からの群れない媚びない生き方 第12回 30歳からの群れない媚びない生き方

30歳からの、群れない、媚びない生き方

 「老後資金は1億円必要」「専業主婦は2億円損している」「老後に年金はあてにできない」巷にあふれるこのような見出しを見て、皆さんはどう思われますか?不安になりません?かくいう私もそんな一人でした。先月のWOMの原稿を書いてから、にわかに自分の老後が不安になった私は、お金について猛然とリサーチを始めました。その一環で、ほんの好奇心から、このまま海外暮らしを続けるとして~、子どもがマニラにあるインターに高校まで通い⇒MITに進学したら~(完全に私の趣味とエゴと妄想)いくらかかるのか計算してみたら、学費だけで約6千万円!生活費は入っていません。あくまでも単純計算ですが、高校までは学費が年間250~300万円、並行して将来の教育費のための貯蓄をするとなると、年間500万必要ということになります。この数字を目の前にして、真っ先に浮かんだのは、「教育は投資というけれど、うちの子にこれだけお金をかけてリターンはあるのか?」「もしかして教育ってすごいリスク商品なんじゃないか?」というものでした(笑)。じじばばに懇願されて掛けている学資保険なんて、6千万からしたら雀の涙だよ!もちろん、ないよりマシですが。さて、そろそろ現実の世界に戻りましょう(笑)。

 

 はたして、冒頭のコピーは正しいのでしょうか?答えはYESでありNOでもあります。なぜなら、どの記述も、何かしらの仮設や前提に基づいて、数字なり議論なりが組み立てられているはずだからです。そういったものを一つ一つ丁寧に見ていくと、必ずしも「わが家のケース」には当てはまらないものもでてきます。老後にしたって子どもの教育にしたって、望むもの、目指すものは家庭や個人によって異なります。私が冒頭のコピーを見て不安になったのは「お金のことがよくわからないから」なんですよね。お金って、私たちの生活にこんなに浸透しているものなのに、資産運用だとか株だとか為替だとかいわれると、途端に小難しく思えてしまいます。それでも、ほんのちょっと調べてみるだけでも、ずいぶん色々なことがわかります。私自身も、これだけ変化の早い時代、自分の老後がどうなるかはさすがにわかりませんが、少なくともどうやって備えていくべきなのかということは見えてきたように思います。不安をなくすには、その不安に姿形を与え、因数分解して、自分で理解できるレベルまで小さなピースに落とし込むこと。お金のことが不安だと思っていたけれど、実はお金の不安というのは表向きの理由で、根っこの部分ではパートナーとの関係に対して不安があったというようなこともあるかもしれません。お金って、よくも悪くも、人間の人となり、価値観というのが如実に現れるところですから。お金持ちにならなくても、賢く生きたいものですね。自分と家族の幸せのために。

サノユキコ

慶應義塾大学卒業、ハーバード大学博士課程修了(国際開発専攻)。日本という枠にとらわれず、自分の志向、感性、価値観、ライフステージに合わせて “ほんとうに贅沢な” ライフスタイルを選ぶ Globaluxe(グローバリュクス)を実践中!

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