コラム Dr.MANAのセンシュアルエイジング Vol.88 政治に足を突っ込んだら、世界が3Dになった話

Dr.MANAのセンシュアルエイジング

初めはちょっとした好奇心のはずでした。気がつけば襷をかけて街頭演説、マイク片手に「日本の未来」を語る日々。この世界に足を突っ込んではや2ヶ月がすぎました。

まさか自分が政治に関わるなんて─。人生で一番遠いと思っていた「政治」というものが、今や全身でぶつかるリアルな現場になりました。

変わったこと、いくつかあります。

まず、国家予算や財政に“親しみ"を持てるようになったこと。家計簿すらつけないどんぶり勘定の私が、「兆」「億」で予算を語る日々が来るとは。国家間のシーソーゲームですぐに変化する“消費税"なんかは複雑で未来予測が難しいけれど、医療費削減や社会保障の制度改革については、けっこういい線いけてる気がします(当社比)。

次に、声の“音質"が変わりました。以前は美容と医療の未来を語るトークが中心でしたが、今は「今日のごはん」「明日の命」がテーマ。覚悟が乗っている声… のつもりですが、夫曰く「ただ、大声になっただけだよ」と。そうなんです。ヒソヒソ話ができないのが最近の悩みです(笑)。

そして、睡眠。かつてクリニックでは、“睡眠美容"を推していた私が、最近は4時間睡眠。明け方にひらめくんですよ…。ウェアラブルでのスコア、80点越えは月に1回レベルまで落ちました(泣)。先日はヘア用のコテで腕を焼き、約束を1ヶ月間違ってダブルブッキングし、方向音痴は、いよいよ老人徘徊レベルにまで。いいですか、みなさん。睡眠負債で18兆円だそうです。決して真似してはいけません。最低7時間は寝てくださいね。

でもね、政治の世界に入って、より強く意識するようになったこともあるんです。

「物事を単純化せず、多面的に見ることができるか?」

「それは陰謀ではなく、ちゃんとしたエビデンスに基づいているか?」

これって、医療でも美容でも子育てでも、ずっと大切にしてきた姿勢なんです。だから私は、本質的には何も変わっていないのかもしれません。ただ、世界がより3Dに─立体的に見えるようになった。それだけのことかもしれません。

だけど、その変化は、未来を照らす視点だったと信じたいのです。

Dr. MANA(岩本 麻奈)

一般社団法人・日本コスメティック協会名誉理事長/ナチュラルハーモニークリニック顧問医師/エッセイスト/コスメプロデューサー/美容ジャーナリスト 
皮膚科専門医。20年に渡るフランス滞在ののち、東洋のパリ“プノンペン”に転居。女性を元気に美しくする講演活動を続けている。「パリのマダムに生涯恋愛現役の秘訣を学ぶ」「生涯男性現役」(ディスカヴァー トゥエンティワン)「フランスの教育・子育てから学ぶ 、人生に消しゴムを使わない生き方」(日本経済新聞出版社)など、美容やライフスタイルに関する著作多数。近著は「結婚という呪いから逃げられる生き方」(ワニブックス)

公式HP: dr-mana.com   公式ブログ: ameblo.jp/dr-mana

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