コラム ワールド通信 十勝のおいしい生産物

日本・北海道

「北海道出身」と言うと羨まれることが多い、そんな幸せな環境十勝地方帯広市で育ちました。皆さんの北海道のイメージはいかがでしょうか?羨まれる一番の理由は「おいしい物がたくさんありそう」です。毛ガニ、ホタテ、牡蠣、ウニなどの魚介類はもちろんですが、今の季節は野菜の味がとても濃くておいしい。旬のアスパラはさっと湯がいてマヨネーズ、ホクホクにふかしたジャガイモにバターをつけて、もう少しでトウモロコシが収穫の時期。茹でた甘いトウモロコシをむしゃむしゃと食べるのは最高のご馳走です。また、広大な大地で育った牛のお乳で作ったチーズなどの加工品も、今ではヨーロッパに負けないほどの品質を誇り、味わい深い味はワインによく合います。そうそう、今は専門店が出来るほど日本ワインがブームになりつつありますが、北海道産のワインも徐々にレベルが上がってきています。嗚呼、地元自慢をすると止まらなくなります(笑)。
そんな「自慢」をたくさんの人に知ってもらいたいと、銀座で「お取り寄せダイニング十勝屋」というお店を初めて7年になりました。北海道十勝を中心に、旬の食材を生産者から産地直送で調達しています。一番人気の“ジャガイモのラクレットチーズがけ”は、インカのめざめという栗のように甘いジャガイモに、専用のオーブンで熱したとろーりとろけるチーズをかけて提供するメニュー。シンプルですが食材のチカラ強さで、一度食べた人は病み付きになるおいしさです。また、姉妹店のお菓子屋さん「十勝トテッポ工房」では、十勝チーズをふんだんに使ったチーズケーキを北海道の全ての空港で販売しています。
日本全体での食料自給率はカロリーベースで40%前後ですが、十勝地方のみに限定すると1100%の自給率を誇る地域です。人よりも牛の数の方が多いですし、雪印、明治乳業、カルビー、クノールなど大企業が工場を持ち、日本の胃袋を支えている食料供給基地と言えます。ただ、小麦、ビート(砂糖の原材料)、大豆など加工原材料となる農作物が多いということもあり、昨今のTPP(環太平洋戦略的経済連携)の締結については非常にナーバスになっている地域でもあります。
日本にはおいしさを知っている皆さんに支持される、誇るべき生産物が、私の地元十勝にはたくさんあります。おいしさを追求するのは万国共通。これからは、タイの人々にも支持されるのではないかと、期待しています。

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