コラム Dr.MANAのセンシュアルエイジング VOL.42 “Sleeping Beauty No.2” “麻奈”の名にかけての麻ミッション

Dr.MANAのセンシュアルエイジング

 かつて、母に「どうしてマナは麻奈って書くの」と尋ねたことがありました。「麻は丈夫な草なの。どこにだって根付いて天に向かってスーッと伸びるのよ」。麻の葉模様の産着を着せて、赤ちゃんの元気な発育を願う風習もあったそうです。そして「なんといっても、麻は人の役に立つのよ」。「エッ」。そう言われても、どこにでも生えているはずの麻畑はどこにあるの?それどころか大麻不法所持で逮捕、厚生省麻薬取締官略称麻取とか、思いっきりブラックなイメージ。学生時代は「麻雀の麻」「麻婆の麻」と称して自虐ネタ。医局入局の際には「麻薬で奈落に堕ちると書いて麻奈と言います」と自己紹介してウケました。

 と言いつつも、ダメなものはダメですよね。大麻不法所持で逮捕、大麻解禁を主張する、そういったタレントさんたちのタイプは好きになれません。私にとって名前に掠(かす)っているとはいえ、麻は袖触れ合う縁すらないものでした。

 ところが 3 年前、新しいドクターズコスメの成分で CBD(麻の成分の一種:カンナビジオール)の提案を受けました。愛縁奇縁かと、疼痛や不眠に効くという CBDオイルを自分や家族に試してみたら吃驚(きっきょう)でした! 頭痛・関節痛・不眠に効くだけではなく、ナント「解決法のない悩みが脳内をぐるぐる回る」現象が雲散霧消したのです。

 「これはしっかり勉強せなアカン」と海外の論文を読み漁り、またまたオドロキの連発となりました。豊潤にして深淵、植物と動物の接する地点、人間が生まれる遥か昔からの悠久な物語、そうしたものが眼前に展開されて広がっていきました。それこそが「なぜ、麻の成分が我々の体に効くのか」の答えになっているのですが。

 CBD は、ハイで高揚感が得られるもう一つの麻の成分 THC(テトラヒドロカンナビジオール : Tetrahydrocannabiol)の諫(いさ)め役のような存在です。THCは日本では使用禁止ですが、タイでは医療用大麻として解禁になっています。

 私が麻に関わるのは天啓かもしれない、そんなことさえ感じるようになってきました。ご興味をもたれましたか?

Dr. MANA(岩本 麻奈)

一般社団法人・日本コスメティック協会名誉理事長/ナチュラルハーモニークリニック顧問医師/エッセイスト/コスメプロデューサー/美容ジャーナリスト 
皮膚科専門医。20年に渡るフランス滞在ののち、東洋のパリ“プノンペン”に転居。女性を元気に美しくする講演活動を続けている。「パリのマダムに生涯恋愛現役の秘訣を学ぶ」「生涯男性現役」(ディスカヴァー トゥエンティワン)「フランスの教育・子育てから学ぶ 、人生に消しゴムを使わない生き方」(日本経済新聞出版社)など、美容やライフスタイルに関する著作多数。近著は「結婚という呪いから逃げられる生き方」(ワニブックス)

公式HP: dr-mana.com   公式ブログ: ameblo.jp/dr-mana

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