日本三大清流の一つ、岐阜県の長良川は、およそ450年前、織田信長公の愛した鵜飼で有名になり、天然鮎も珍重されてきました。現在も、流域の人々の暮らしの中に清流が保たれ、その清流で鮎が育ち、地域の経済、歴史と深く結び付いています。鮎は川石に自生する苔を食むため、美しい川に生息する鮎はとても良い香りがします。そのため香魚とも呼ばれ、古来より食されてきました。晩秋に向かうこの時期は、卵を持ち川を下る "落ち鮎" と呼ばれる子持ち鮎が市場に出ます。卵の食感と旨みが詰まった白身の子持ち鮎は、塩焼きはもちろん、煮付けにしても美味しく、また、子孫繁栄の縁起ものとして、お正月のおせち料理にも使用されています。