「新しい趣味」としてアートを取り入れよう!
~ タイランド・ビエンナーレ プーケット、出展作家とめぐる3日間
こんにちは「sawasdee! ART」です。
2025年11月29日から2026年4月30日まで、プーケットを会場にした「タイランド・ビエンナーレ」が実施されています。ビエンナーレとは、2年に一度開催されるアートの祭典で、「タイランド・ビエンナーレ」は今回で4回目の開催となります。前回はチェンライを中心に開催され、今回はプーケットというように、この「タイランド・ビエンナーレ」はタイのツーリズム促進という要素も含み、毎回「開催地」が異なるのが大きな特徴です。
毎回、ビエンナーレには「テーマ」が設けられており、今回のテーマは「Eternal [kalpa]」。日本語だと「永劫」というような意味合いになります。そのテーマに基づいて、世界から集められた約60名強のアーティストたちが、会場のいたるところに作品を展示します。アーティストたちの表現を見ながら、このテーマについて思いを馳せる、それがビエンナーレの一つの楽しみ方でもあります。
日本でも2025年は瀬戸内国際芸術祭、トリエンナーレ(こちらは3年に1度)あいち、東京ビエンナーレ、千葉国際芸術祭など、様々な地域で芸術祭が開催され、国内旅行がてら多くの人が観に行きました。アートツーリズムとしてだんだん定着してきており、普段、美術館に行かない人も「旅行先の目的の一つ」として楽しむ方が増えています。
「芸術祭を目的として旅に出る」
世界では、イタリアの「ベネツィア・ビエンナーレ」、ドイツの「ドクメンタ」、ニューヨークの「アーモリーショー」というように、有名な芸術祭には世界中から人が集まってきます。選りすぐりのアーティストたちの巧みな表現を見たり感じたりすることで、生き方や今後のあり方などと向き合う機会となったり、アートのトレンドを知る機会にもなっています。
今回、タイランド・ビエンナーレのメイン会場となるのはプーケットの東側、プーケットタウンを中心としたエリアです。プーケットと言えば、古くから交易の中心地として栄えた歴史があり、北から南へ人が移動し、定着していったことで生まれた「プラナカン」と呼ばれる人、建築、文化。西から東へ船で交易をしていた時代の寄港地としての歴史。そして今は世界屈指のリゾート地。プーケットという地は、何層にも重なった歴史の上に今があり、その結果、多彩な食やプーケットならではの街並みが成立している。だからこそ、世界中の人々を魅了しているのだと感じます。
今回のテーマである「永劫」(カルパ)というキーワードには、気候変動による生態学的危機・政治的断絶・欲望・暴力が増幅する世界の中でも、毎日繰り返されるプーケットの岬から落ちる夕陽、毎日の人間の営み。なんとなくその均衡が崩れているように感じる今、私たちはどのようにあるべきか?を問う、という意味が込められています。
※(カルパ)というのはヒンドゥー教の思想でブラフマーの1日(約43億年)というサイクルで、破壊と再生があるという概念。
世界中から選ばれたアーティストたちが何を考え、何を表現しているのか?アーティストたちのメッセージを感じながら作品を見て感じて楽しむ。プーケットの美味しい料理を食べながら感想を語り合う。そんな時間がビエンナーレ鑑賞の醍醐味です。
「タイでのアートの楽しみ方」
「アートを見る・楽しむということ=モネやゴッホの名画を見ること」のような、美術館で絵画を見ることだと思っている方がいらっしゃいますが、アートの楽しみ方というのはとても幅が広く、奥が深い世界です。例えばタイに数多ある寺院・遺跡。これも一つの仏教美術ですし、仏像だけではなく壁画なども美術的価値が高いものです。少数民族の刺繍や織物も工芸作品としてみれば評価の高いものですし、バンコクの国立博物館などに展示されているものたちを知るのも一つのアートの楽しみ方です。また、バンコクの現代アートシーンは世界的にも勢いがあり、注目されているホットなタイミングだと言えます。バンコクには新しい美術館もたくさんできていますし、ギャラリーもたくさんあります。美術館は入場料が必要ですが、ギャラリーは基本的にフリー。アーティストたちが表現する「今」の作品を定期的に見るというのは、自分の感性が磨かれるだけではなく、アートを通じて世界を知ることができます。さらに、アート投資を考えている人は「とにかく沢山の作品を見る」ことで審美眼が鍛えられ、作家を知ることができます。タイに居るという「地の利」を活かし、今回の芸術祭に旅行がてら行ってみませんか?アートは好きだけど、タイではあまり楽しんでいないかも?という方、是非タイならではの「アートの楽しみ方」を見つけてみませんか?それはタラートノイなどの観光地アートを楽しむことより、もうちょっと深い楽しみとなり、アートという角度からタイを知り、アジアを知り、日本を、世界を知る、そんな思考の循環をもたらしてくれることでしょう。また、お子様がいらっしゃる方は、一緒にアートを鑑賞して“教養を身につける"良い機会にもなります。
プロが案内するツアーに参加しよう!
今回のタイランド・ビエンナーレには、日本からも複数のアーティストが選出されました。その選出作家のひとりである隅英二(すみえいじ)氏は、チュラロンコン大学で教鞭を取られています。そこで、2026年2月8日(日)~10日(火)までの3日間、隅氏とともにめぐる「タイランド・ビエンナーレ」ツアーを開催します。出展作家から直接話を聞けるビエンナーレ鑑賞はまたとない機会となり、タイのアートを存分に楽しめる機会となることでしょう。また、これがきっかけで「アート仲間」ができるかもしれません。日本からの参加者には、お一人様の方も多いです。
このプログラムは、東京・四谷で教養としての美術講座を専門としている社会人スクールを運営している「美術Academy & School」と、隅英二氏とのコラボレーションによるプログラムです。
プーケット集合・解散となりますので、東南アジア各地からのご参加をお待ちしております。
※航空券・ホテルはご自身でご手配ください。
※見学ルートは事前に決定いたします。
※現地集合ツアーのお申し込みは 1月31日(土)締切 です。
隅先生によるツアーの様子
講師からのメッセージ
いま、アジアの現代アートは想像を超える速さと多様性で世界へと広がり始めています。とりわけタイを拠点とするアートシーンは、政治、身体、地域性などさまざまな要素が交差し、強い熱と問いを持って国境を越えて動いています。この講座では、現地のダイナミズムに触れながら、その動きの背景と未来を共に考え、対話する時間にしたいと願っています。タイから湧き上がる創造のエネルギーを感じ、皆様一人ひとりの視点で現代アートを再発見する機会になれば幸いです。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
講師紹介:
隅 英二 (タイ国立チュラロンコン大学教授・アーティスト)
立教大学産業関係学科を卒業後、1994年にニューヨークに渡り、光学、マルチメディアを応用した都市空間に設置されるインスタレーションや、多分野とのコラボレーションなどでホワイトキューブに収まらない芸術活動を重ねてきた。2012年にバンコクに拠点を移し、国立チュラロンコン大学コミュニケーションデザイン学科でタイの若手クリエーターの育成に尽力する一方、巨大都市に暮らす人々の身体感覚を呼び起こし、その拡張を図り、科学とアートの融合したインスタレーション、そして独自の国際感覚を背景に政治社会問題をテーマにした写真作品等を発表している。2024年GALLERY VERにて個展「WAVE GARDEN」。タイランド・ビエンナーレ2025プーケットに出展作家として選出。
ビエンナーレについて、こちらもご参照くださいね。




