タイ野菜でべジフルライフ

第17回 ビーツ

ビーツ/ビート/火焔菜(カエンサイ)
Beet/Beetroot(英)
บีทรูท(ビートルート)

タイのあちらこちらで見られるようになったジューススタンド。時間がない時にも買って飲める100%ジュースは、うれしいですね。私は、飲み会の前に軽く胃にいれておくためによく飲みます。お気に入りは、ビーツとパッションフルーツのミックスジュースです。スッキリ爽やか、暑いタイにはピッタリでシャキーンとしてきます。ビーツって「飲む輸血」と言われるほど鉄分が豊富で栄養価が高いそうで、いかにも体が喜びそうです。
ただ、ビーツは日本人にはまだなじみがないようで、ピンとこない方も多いようですね。ボルシチの赤というと「あ~あれ」と思い当たるようですが、それでも「?」が消えないようです。ロシアや寒い地域の野菜のように思われますが、世界中で広く食されている野菜ですので、日本人にももっと利用して欲しいところです。オーストラリアでは、ファストフードショップのハンバーガーに入っているほど身近な野菜だそうです。うれしいことにタイではビーツを手軽に入手できます。タイ料理にはありませんが、サラダバーなどによく出てきます。お菓子などの着色料にも利用されるので、ジュースが流行るよりずっと前から当たり前のようにスーパーや市場に並んでいました。ビーツがピンとこない方、今度、チェックしてみてくださいね。

 

地中海または北アフリカ原産で有史以前から食べられていたそうです。ホウレンソウの遠縁、日本のサトウダイコンの仲間になります。白もありますが、タイでは赤が出回っていて、多くはカブのような形をしています。葉は、チャードと呼ばれて利用されますが、タイでは葉つきのものを見たことはありません。ショ糖が含まれているので独特の甘みがありますが、同時にジオスミンによってかすかに土臭さを感じることもあります。鉄分、ビタミンC、葉酸、食物繊維、数種の抗酸化物質を豊富に含みます。大量に食べると、尿や便が赤くなることがありますが、健康に影響はありませんのでご安心を。
ビーツは、台所が真っ赤になってしまうからと敬遠されがちですが、まな板や食器についてもすぐ落ちます。手についた赤もレモン汁で洗えばすぐにとれます。ただ、服についたらどうなるのかは試してません、すみません。

 

主に煮込みや酢漬け、サラダなどに利用されています。生はかたいですが、食感を楽しむことができます。じっくり火を通すと甘味が増しますので、皮を傷つけないように洗って、濡れたペーパータオルとアルミホイルで包んでオーブンにかけます。大きさによりますが、中温で30分くらいで柔らかくなります。火が通れば皮がスルッと手で剥けるようになります。アツアツにバターをかけるだけでもおいしいですよ。鍋で茹でる場合は、塩や酢を加えてまるごと茹でます。皮を剥いて切ってから茹でてもいいですが、汁に栄養が流れるのでなるべく汁ごと利用する料理に使うといいでしょう。

 

保存は、生は冷暗所か新聞紙にくるんで冷蔵庫に入れるとかなり長く持ちます。茹でたものをまるごと冷蔵庫で、あるいは皮を剥いて切って冷凍することもできますので、まとめて加熱しておくといいですね。 レモンをかけるとより鮮やかな色に変化します。この色が食卓にのぼるとぐんと華やかになりますので、パーティーで活用したいですね。ただ、ピンクのソースやパスタ、ご飯料理は、女性には喜ばれましたが、男性にはちょっとひかれました。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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