コラム ワールド通信 不便極まりないヤンゴン暮らし

ミャンマー・ヤンゴン

最大都市ヤンゴンといっても、雰囲気はまったくもってタイの地方都市。バンコクに暮らしていていたにも関わらず、久々に買い出しや通院でバンコクへ出向くと、あまりの大都会ぶりに頭がくらくらします。ヤンゴンは静かだなぁ、飛行機で1時間弱の距離なのにこの文明進化の違いは大きいなぁ、と心底思うのです。
ヤンゴンにやってきて10ヶ月が過ぎようとしています。最初の1ヶ月は“なんと自然豊かで、ミャンマー人は律儀で思慮深く静かな人々なのだろう”という印象。それからは2~6ヶ月は停電や断水や日常生活を円滑に進めることの困難の連続。半年ほど経つと、この生活具合と出費(生活費)は釣り合っているのだろうか?と疑問に感じ始めます。それに伴い“なんと不便で、ミャンマー人は内なる感情は自分本位で強欲なのだろう”という思いが沸々と…。と書くと、愚痴のような感じですけどね。
まず、家賃の高騰です。軍政が続き外国の援助が得られなかった過去や、需要もなかったのかもしれませんが、サービスアパートやコンドミニアムがこれまで建設されなかったこともあり(現在急ピッチで建設中)、民主化移行で外国人が流入したヤンゴンは物件不足。築10年以上の古いサービスアパートメントは、1 Bed Room $5,000~に数か月前に賃料上げ、今年オープンしたばかりのシャングリラレジデンスは 2 Bed Room $6,500~、3BedRoom $7,500~という価格設定、これ月額ですよ!日本人のみならず欧米諸国も進出してきているので、軒並みウエイティング状態。では一軒家はどうなのか?停電も少なく治安も確保されている富裕層の居住地エリアGolden Valleyは $8,000~、子供が2人以上やペット(サービスアパートはペット不可が多い)がいる家族には、「ヤンゴンに住む」というだけで財布のハードルが高い。さらにはバンコクのように日本食の食材も乏しく(スーパーに陳列される多くの品物はタイから輸入)価格もさらに高いのです。
ここまで来ると、ヤンゴン暮らしダメじゃない…と思われますが、あいかわらず私はヤンゴンでの暮らし好きです。「便利で効率的=先進国の暮らし」の中で育った子どもにとって、未発展で不便だけど工夫すればなんとかなるということを、日常生活で実体験しながら育つというのは貴重なことだとも思うからです。幼少の子どもたちも、今のところそれを楽しんでいる様子です。医療の問題は深刻ですけどね、また次回。

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