コラム タイ野菜でべジフルライフ 第67回 サポジラ(ラムット)

タイ野菜でべジフルライフ

第67回 サポジラ(ラムット)

サポジラ
Sapodilla
ละมุด (ラムット)

いよいよ雨季明け、タイの行楽シーズンがやってきました!これから年末年始を含め、タイ国内の観光を存分に満喫して欲しいと思います。乾季のチェンマイやチェンライは、キュッと身が引き締まるほどの寒さで、日ごろ暑さでだれきった体にはつらいようなうれしいような…。飛行機に乗らずともカオヤイやラチャブリあたりでも十分に寒さを楽しめます。ちなみに私がこれまで最も感動したタイの名所は、ターク県にある「ティーロースー」という滝です。トゥンヤイ‐フワイ・カーケン野生生物保護区として世界遺産に指定されている地域にあります。雨季は、道路が悪く4WDでも危ないので、乾季の初めに行くのがおすすめです。ここも標高が高いのでタイとは思えない寒さを味わえます。メーソットという最寄りの街から半日以上かけてキャンプ場に到着、翌朝、滝まで歩きました。眼前にいきなり現れた滝は、山そのものが滝というほどの雄大さで言葉も出ないほど感動。秘境中の秘境という感じで、よほど旅好きでなければ行かないかもしれませんが、それだけ立派な滝がタイにあることも知っておいて欲しい気がします。

 

もっとも最近は、時間がとれないので泊りの旅行は難しいのですが、乾季ならではのタラート巡りや近場の農場巡りなど、ちょっとした「大人の遠足」を楽しもうと思っています。乾季になると市場に並ぶ野菜の顔ぶれも変わってきます。「あら~っ、久しぶり!」なんて声をかけながら、乾季の到来にワクワク。みなさんにも乾季を楽しんでもらえるよう、今回も先月に続き旬のフルーツを紹介します。

 

南米原産の果物で、スペインの植民地化によってフィリピンから東南アジアに伝わりました。日本では、沖縄で一部栽培されており、メキシコガキとも呼ばれています。タイで主に出回っているのは細長いタイプで芋のようにも毛のないキウイのようにも見えますが、丸くてジャガイモそのものに見える品種もありTreePotatoという名もあります。また、この木の樹液を煮て作る天然樹脂のチクルがチューインガムの原料になっているため、チューインガムノキとも呼ばれます。

 

食べる時は、皮を剥いて種をとりますが、皮も食べられますので、気にならない方はそのままどうぞ。柿のような甘みがあり、黒砂糖のようだと表現する人もいるほどですが、未熟なうちに口にするとまさに渋柿、口がシブシブになってしまいます。固いものは常温に置いてよく熟させ、やわらかくなったところを食べてください。写真の左はまだ熟しきっていません。十分に熟すと右のような色になります。カットして冷凍し、半解凍くらいのところを食べるとシャーベットのようです。またヨーグルトに混ぜたり、牛乳やスムージーの材料と一緒にミキサーにかけたり、ジャムにすることもできます。柿料理を応用して、白和えにしたり、サラダしたり、肉と一緒に煮こんだりしてもいいでしょう。石細胞が含まれているため、梨やノイナー(釈迦頭)と同じように砂糖のようなジャリ感がわずかにします。

 

石細胞は、体の中で食物繊維の働きをして、血中コレステロールを吸収し、体内に吸収しにくくしてくれます。また、便秘にも効果的です。カットされたものも売っていますので、日本ではなかなか食べられない季節の果物を存分に楽しんで ください。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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