第87回 スイカ(テンモー)
5 Jul, 2016
ワム: 観光・旅行、グルメ、スパ、美容情報
日本の夏休みシーズンに入りました。夏の一時帰国の楽しみの一つに岩牡蠣があります。大きくてジューシーな生を口いっぱいにほおばるのは至福と言えるほど。美味しいだけでなく、タウリンや亜鉛をはじめとしてさまざまな栄養分を豊富に含んでいるのも魅力です。牡蠣の旬は冬だとばかり思っていましたので、岩牡蠣というものがあって夏に食べられるというのはちょっと驚きでした。でもそれよりも、タイの炎天下で牡蠣が販売されていたり、タイ人が生牡蠣を平気で食べているのはもっと驚きました。タイ人に「怖くないの?」と聞いたら、質問の意味が解せなかったようでした。タイ人は、牡蠣にあたらない特別な抗体でも持っているのでしょうか? 実は、牡蠣にあたる原因にノロウイルスがありますが、その中にB型に感染しにくいウイルスがあるそうです。日本人はB型が20%、タイ人はB型が34%ですので、確率的にも当たる人が少ないということになります。また、子供のころから免疫を持っているとあたりにくいそうで、潔癖症が多い日本人に比べて免疫を持っている人がタイに多いことは想像できます。
タイで生牡蠣を食べたことがありますか? タイの牡蠣は小ぶりでプリプリしています。ニンニクや唐辛子、揚げタマネギ、マナオなどを薬味として食べますが、もう一つ、グラティンという野菜がついてきます。今月は、このグラティンについて解説しましょう。
オジギソウと同じマメ科ネムノキの仲間で世界中の熱帯や亜熱帯に繁茂しています。タイでも散歩していたらどこかで目にしているというくらい身近です。熟して茶色くなった大きな鞘がブラブラして、白いふわふわした毬のような花が咲いている木がそれです。
若い葉はチャオム(連載第6回で紹介済)というアカシアの仲間にそっくりですが、臭くて棘があるのがチャオム、クセが少ないのがグラティンと覚えておくといいでしょう。牡蠣と一緒に食べることが多いのですが、毒消だけではなく、牡蠣の甘味をぐっと引き立てる働きがあります。
若い豆も南部の名産でもある強烈なニオイのサトー豆のような風味があり、サトー豆にひっかけた名前で呼ばれることもあります。どの豆の鞘よりも平べったく食べる部分があるのかと不思議なほどですが、やわらかいうちに若い鞘ごと食べてしまいます。少し成長すると鞘がかたくなるので、小さな豆をいちいち取り出して食べます。ペロンと鞘が開くのでそれほど大変でもないようです。豆も葉もナムプリックやソムタム、カノムチーンなどで主に生で食されます。
カルシウムが極めて多く含まれていて、その他のミネラルも豊富で多くの健康効果を期待できます。ただし、動物にはよくない成分もあるので、ペットに与えるのはやめましょう。スーパーで見かけることは少ないので、目にして買うということも少ないかもしれませんが、市場にはふつうにあるタイ人に親しまれている食材です。若い葉を食べてみたい方は、生牡蠣を注文するのが早いかもしれないですね。
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健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road
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