タイ野菜でべジフルライフ

第100回 トウガラシ

トウガラシ(唐辛子)
Chili Pepper / Hot Pepper
พริก (プリック)

ついにこの連載も100回となりました。これまで100種類の野菜や果物を紹介してきたことになります。過去記事をWOM Bangkokのサイトで見られますのでぜひご覧ください。ちょうど本号が野菜特集でなんだか一区切りついた気分でおります。

さて、そんな記念すべき回で何を取り上げるべきかと考えたのですが、タイといったらこれでしょ~というものをまだ紹介しておりませんでした。そう、トウガラシです。セミナーや料理教室で軽く説明することはありますが、食べ比べたりできるものでもないので、なかなかきちんと紹介できずにおりました。前回のニンニク同様、語るべき情報が多すぎてまとめきれないというのもあります。

トウガラシがタイに伝わったのはアユタヤ王朝時代の16世紀以降です。コロンブスの新大陸発見によって、急激に世界に広められました。この時コロンブスはコショウだと勘違いしていたので、トウガラシがPepperと呼ばれて後に混乱を生じることになったと言われます。世界に広まって、その土地の料理によく合って盛んに利用された地域もあれば、体に悪いとか毒だと思われてあまり広まらなかった地域もあります。トウガラシの歴史をたどることで、各地の歴史や文化が見えてきて面白いものです。これも野菜の楽しみ方の一つです。

トウガラシ(唐辛子)

中南米原産のナス科の植物で、香辛料として使われる辛味のある品種と、ピーマンやパプリカ、シシトウなど野菜として利用される品種があります。タイでは、一般的なプリックチーファー、小さくて辛みの強いプリッキーヌー、カレン族に由来するプリックガリアン、薄緑色のプリックユアックなどが主に出回っています。

トウガラシは、疲労回復・抗酸化作用のあるビタミンCの他、ビタミンAやE、鉄分、カルシウムなどミネラルが豊富です。特に効果が期待できるのは、辛み成分のカップサイシンです。発汗作用があり、胃腸を刺激することで消化を促進します。脂肪燃焼効果がありますが、食欲増進効果もあります。最近の研究では、大豆などのイソフラボンと一緒に摂取すると育毛・発毛効果があると報告されています。またうま味と刺激があるので、料理に使うと減塩できます。カプサイシンは、種には含まれておらず、種がついている胎座に多く含まれています。ちなみに辛味は味ではなく刺激ですので、慣らすことはできます。ただ、舌とは別に胃腸や肛門に異常をきたす場合がありますのでご注意ください。

米櫃にいれて虫よけにされるトウガラシですが、トウガラシを好む虫もいるので虫食いは要チェックです。生のトウガラシは、ビニール袋に入れて冷蔵または冷凍で保存できます。タイは1パック買うと使い切れない場合がありますが、お風呂に入れることもできます。豊富にあるタイで、自分なりのプリック生活を楽しんでみてください。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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