コラム タイ野菜でべジフルライフ 第95回 ホームデーン

タイ野菜でべジフルライフ

第95回 ホームデーン

赤ワケギ / 赤エシャロット
Shallot / Échalote
หอมแดง(ホームデーン)

先日、ピコ太郎が来タイして話題になりましたが、ヒット曲の「PPAP」が全く関係ない第三者に商標登録出願されていたというニュースがありました。特許庁は認めないようですが、このニュースを聞いて「クウシンサイ」を思い出しました。中国名からきた野菜の一般名称ですが、20年ほど前に商標登録され、流通業者や料理店がずいぶんと困ったようです。商標登録のせいで生産や流通、消費が規制されることになり、日本の農業にとっての損失ではないかと農林水産省に問い合わせたことがありますが、普通名称として使用する分には問題はなく、特許庁の問題だととりあってもらえませんでした。

名称というのは、本当に難しいものです。勝手に商標登録されて規制されることもあれば、たまたま名付けられたものが広まってしまうこともあります。日本でエシャロットと呼ばれる根ラッキョウは、おしゃれなフランスの野菜にちなんで命名されました。エシャロットとは別物なので、本物が普及するようになって混乱が生じています。そういう私もタイのホームデーンを小タマネギとか赤タマネギと呼んでしまっています。タマネギの仲間ではありますが違うんです。ライムであるマナオをタイレモンと呼んでしまうようなものでしょうか。親しみをもってもらうにはわかりやすい方がいいでしょうが、野菜ソムリエとしては悩ましいところです。今回は、このホームデーンについて解説します。

ホームデーン

タイの市場では、唐辛子やニンニクと同じく大きなスペースがとられているとても身近な食材です。赤タマネギとは違い、赤ワケギや赤エシャロットと呼ぶのがよいでしょう。日本でタイ料理を作って本場の味が再現できないと思うのは、マナオとホームデーンがあるかないかなのでしょう。タイ料理では、つけ合わせにしたりヤムなどで生で食べることもありますが、炒めものやスープ、揚げ物にしてトッピングに使われたりと加熱しても美味しいです。見えないところでも大活躍で、グリーンカレーやマッサマンカレーなどカレーペーストやナムプリックなど、日本人が思う以上に重要な食材です。

タマネギの健康効果がよく言われますが、ホームデーンにもあてはまり、ビタミンやミネラルはタマネギより多いと言えます。抗酸化作用の高いフラボノイドが豊富で、アリシンがコレステロールを抑え、動脈硬化を予防し、血圧を下げる働きもあります。また、アリウムが血糖値を抑え糖尿病にも効果があるとされています。

購入する際には、薄皮が完全に乾燥していて傷がないものを選びましょう。芽や根が出ておらず重みを感じるものがよいでしょう。軽いのは乾燥し過ぎて傷んでいることがあります。常温で保存できますが、風通しがよいところがいいでしょう。小さいのでちょっと手間がかかるせいか、最近はタイでも大きい赤タマネギが代用されることが多くなりました。小さくて分球しているのがホームデーンと覚えておくとよいでしょう。タイ料理に限らず、タマネギを使っていたレシピをホームデーンに変えてみてはいかがですか?

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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