コラム タイ野菜でべジフルライフ 第91回 コールラビ

タイ野菜でべジフルライフ

第91回 コールラビ

コールラビ/カブカンラン(蕪甘藍)
Kohlrabi
กะหล่ำปม

 プミポン国王陛下の崩御を悼み心からご冥福をお祈りしますとともに、タイの平和をお祈りします。
 
 原稿の〆切に慌てているところに悲しいお知らせが届きました。この時にタイにいることのご縁を感じながら、いかに王様が国民に愛されていたかを胸がしめつけられる思いで感じています。
 
 タイの発展は王様なくして語れないほど偉大な方で、御功績をあげたらきりがありません。中でも私たちにとって身近なのは、ロイヤルプロジェクトの農業支援プロジェクトではないでしょうか。王様が北部に旅行された時にアヘン栽培や焼畑農業に依存している貧しい農民を見かけ、自立のために援助を始めたのだそうです。その後、タイ全土を視察して研究をすすめ、その土地にふさわしい農作物を選び、水資源を含めた農地の改良、栽培方法、加工から流通まで総合的な農業計画をご指導されました。ロイヤルプロジェクトの製品は、タイにとって目新しいものが多いですが、既存の農家を脅かさない作物、利益を生みやすい作物が選ばれています。また、ブランド化をすすめられ品質は保証されてはおりますが、必ずしもすべてが無農薬やオーガニックではありません。これも王様が無農薬では農民への負担が大きいことを心配され、環境に考慮した低農薬、循環型農業を推奨されました。
 
 タイの野菜や果物をたくさん食べることも王様が支えてきた農業、タイの国を応援する一手段になりますね。今回は、タイでもまだ新しい野菜ですが、ロイヤルプロジェクトのおかげでよくみかけるようになり、スーパーでも購入できるようになってきたコールラビについて解説してみたいと思います。
 
 
 茎の部分が蕪のように丸く肥大化した不思議な形をしたアブラナ科の野菜です。蕪甘藍の甘藍とはキャベツのことで、同じくドイツ語由来のコールラビのコールはキャベツ、ラビはカブという意味です。名前も見た目も利用方法もカブのようですが、キャベツの仲間です。日本には明治時代に伝わって普及しませんでしたが、中国や台湾ではよく利用されています。
 
 選ぶ時には、ずしりと重く皮や葉に張りがあって傷がないもの、切り口がきれいなものを選ぶといいでしょう。品種によって大きいものもありますが、大きくなり過ぎるとかたくなってスが入ることがあります。保存は、葉がついているものは軸から切り落とし、乾燥を避けて冷蔵庫の野菜室に入れましょう。栄養性・機能性としては、ビタミンCが多く加熱してもあまり失われません。また、高血圧に効果のあるカリウムや、貧血に効果のある葉酸も多く含みます。
 
 皮が薄い緑色と紫の2種類ありますが、どちらも皮を剥くと淡いクリーム色で、風味や食感にも違いはありません。生で食べると歯ごたえがあり、ほのかな甘みがありますのでサラダや漬物に使えます。ソムタムなどタイ料理にも応用できます。皮が柔らかいものもありますが、ふつうはかたくて筋があるので厚めに剥きます。薄くスライスしたり千切り、角切りなどいろいろなカットができます。加熱してもおいしく、炒めたり煮物やスープに入れたりもできます。とても使い勝手のよい野菜でどんな料理にも合いますので、レパートリーが広がること間違いありません。日本人にはなじみがありませんが、この機会にぜひ手にとってみてください

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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