コラム タイ野菜でべジフルライフ 第86回 ツチグリ(ヘッ・ポッ)

タイ野菜でべジフルライフ

第86回 ツチグリ(ヘッ・ポッ)

ツチグリ(土栗)
Barometer Earthstar
เห็ดเผาะ(ヘットポ) เห็ดถอบ(ヘットトープ)

3ヶ月連続で暑季の話題で芸がないのですが、それにしても今年の暑季は暑かったですね。例年なら雨季前でも暑季特有の大雨が降ることがあるのですが、今年はほとんどないまま5月に突入しました。暑さに慣れているはずのタイの人たちですら3月以降暑さによる死者が30人を超えたとのことです。1960年に観測された44.5度を超える観測史上最高の44.6度がメーホンソンで記録されました。エルニーニョ現象の影響で7月まで高温少雨傾向は続くそうで、なんだか本当に体力勝負、しっかり体を作っておかないといけません。そう思って落ちそうな食欲を工夫しながらガッツリ食べていたら、食べ過ぎな毎日です。夏太りの典型パターン、やはり食べ過ぎはどんな時でもいけません。暑いと運動不足や睡眠不足になりますし、冷房や冷たいものの飲み過ぎなど、とかく代謝が悪くなりがちで、夏太り要因はいくらでもあります。いつもとあまり変わらないつもりでいても、やはりリズムが狂うのでしょう。 猛暑が続くとマナオやパクチーが高くて、どちらも大量に使うレストランとしては大変ですし、入手困難な野菜も増えます。そういう意味でも雨季が待ち遠しいのですが、雨季が旬の食材にも早く会いたいです。今、楽しみに待っているのがツチグリです。雨季の初めの短い期間にチェンマイなどタイ北部や東北部で採れる貴重なキノコです。バンコクでも市場で売られていることもあり、料理を出しているレストランもありますので、今月はこのツチグリを紹介してみたいと思います。

 

 直径2センチ前後のコロンとしたキノコで、世界各地にありますが、食用としているのはアジアの一部地域です。熟すと外皮が割けて蜜柑を剥いたような星のような形に開いて、宇宙人のような愛嬌のある姿になります。湿度によって外皮が開閉するので「星の湿度計」という意味の学名がつけられています。食用とするのは割ける前の内部が幼菌状態のうちですが、地上に顔を出さないので探すのがとても難しいそうです。そうした点や風味などでよくトリュフやマツタケ、ポルチーニと比較されます。採れたては、外皮も内部も白で風味も抜群で美味しいのですが、時間が経つと茶色からやがて黒くなってかたくなり、食味が落ちてしまいます。可能であれば触って柔らかいものを選ぶといいでしょう。

 

 土の中から採ってきますので、食べる前に水に浸けてよく洗わなくてはいけません。食べると、外がプチッとコリッとした感じ、中がクリーミーでやわらかく2度楽しめます。スープやカレーなどゲーンにすることが多いですが、炒めたり、ナムプリックをつけて食べることもあります。シンプルな塩茹ででおつまみにもなり、味噌汁にもいいですし、洋風にホワイトクリームにも合います。丸ごと使ったり、半分に切ったりスライスしたりと、切り方の違いも楽しんでみてください。チェンマイでは缶詰が売られています。手軽でお土産にもいいのですが、やはり採れたての白いやわらかいものを味わっていただきたいところです。5月から6月にチェンマイに行く機会がある方は、ぜひ探してみてください。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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