コラム タイ野菜でべジフルライフ 第83回 パッコムデーン(レッドアマランサス)

タイ野菜でべジフルライフ

第83回 パッコムデーン(レッドアマランサス)

レッドアマランサス/赤ヒユナ
Red Amaranthus
ผักโขมแดง (パッコム・デーン)

 2月中旬に日本野菜ソムリエ協会のイベントで一時帰国しておりました。タイのタラート(市場)についてのセミナーを開催して講師をしてきましたが、タイにいる方にもおすすめのセミナーかもしれませんので、そのうち企画したいと目論んでいます。
 
 さて、今年の乾季は、暑かったり急に寒かったりで、気持ちのいい涼しい日というのが少なかったのが残念です。これからは真夏に向かっていくことになりますが、日本を思いながら、食卓だけでも春を演出してみましょう。春野菜を扱うのもいいですが、タイではなかなか難しいので、色彩で表現してはいかがでしょうか。料理がピンクに染まる食材は、ひな祭りにもおすすめです(これを読んでいる時にはもう過ぎてしまっていたらごめんなさい)。
 
 今回、おすすめするのは、パッコム・デーン、アマランサスの赤い葉の品種です。パッコムは、この連載がスタートして早々の第7回で紹介したことがありますが、当時はまだ赤い葉の品種は滅多に目にすることがありませんでした。今でもいくつかのスーパーマーケットが力を入れているくらいで、あちこちで見かけるわけではないのですが、この色を使わない手はないと思いますので紹介してみます。
 
 ちなみにアマランサスをネットで調べると、ほとんどが穀物としてのアマランサスの情報が出てくるのですが、今年になって、ももいろクローバーZ が「AMARANTHUS」というタイトルの3rdアルバムをリリースしていたことにちょっとビックリでした。どんな形でも知名度があがるなら歓迎したいところです。
 
 野菜用アマランサスは、東南アジアで好んで食べられていて「熱帯のホウレンソウ」とも呼ばれています。ホウレンソウの倍以上のカルシウムと鉄分を含む他、カロテン、たんぱく質、ビタミンが豊富で、免疫力の強化、骨粗しょう症の予防、アンチエイジング効果が期待されています。解熱・解毒効果が高いことから漢方やアーユルヴェーダでも利用されています。その栄養価の高さと暑さに強いことから、日本でも夏場の葉野菜として注目され始めています。
 
 一般には、葉の色が濃い緑のものが売られていますが、葉の真ん中に赤色が混じっている品種や葉全体が赤いものがあります。この赤は、ベタシアニンという色素によるものです。抗酸化作用が高いといわれるポリフェノールの中でも特に効果が高いといわれています。ビーツやスイスチャード、ドラゴンフルーツなどに含まれていますが、パッコムデーンは最も多く含まれているといわれます。
 
 水で洗うだけでも色が落ちるほどで、茹でるとお湯が真っ赤になります。せっかくのベタシアニンが流れ出るのは勿体ないので、大量のお湯で茹でるより、少ない水で蒸し煮、炒め煮してそのまま利用するのがよいかもしれません。ご飯をピンクに染めたいときは、みじん切りやペースト状にして混ぜ込むといいでしょう。あるいはスープにすると赤いきれいなスープになります。ホワイトシチューに混ぜれば、ピンクのシチューになります。パスタと一緒に炒めてもきれいな色を楽しめますので、ぜひお試しください。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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