タイ野菜でべジフルライフ

第82回 菱の実

ヒシ(菱)
Water chestnut / Water caltrops
กระจับ (グラジャップ)

 2016年がスタートしました。今年は、何か新しいことにもチャレンジしてみませんか? これまで日本野菜ソムリエ協会認定の「ジュニア野菜ソムリエ」と「ベジフルビューティーベーシック」のバンコク地域校で60名を超える資格取得者が誕生しました。今年からさらに「アスリートフードマイスター3級」の資格も取得できるようになりました!
 
日本には、国家資格と民間資格を併せると3000種以上もの資格があるそうです。ずいぶんと多いですね。生活者の安全のために制定されたり、利益・利権のために作られた資格もあるでしょう。日本人が肩書好き、資格好きというのもあるでしょう。私は以前、「資格なんていらない、中身があればいいじゃない!」と豪語していました。でも諸事情で野菜ソムリエを取りましたら、途端に周りの態度の変化を感じました。期待もあり、品定めの目もあったと思いますが、資格に恥じないようにとますます勉強しました。野菜ソムリエはゴールではなくスタートで、資格が人を育てることもあるのです。
 
新講座のアスリートフードマイスターは、スポーツのための食事学を学びます。単に体にいいだけではなく、「いつ」「何を」「どのように」食べるかがアスリートにとっては重要です。すでにアスリート本人や家族、指導者などが受講し、さまざまなスポーツの世界で活躍しています。最近は、育ち盛りのジュニア世代を応援するお母さんの受講が増えています。私も取得しましたが、野菜ソムリエとは違った面白さがあります。資格に興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。やはり資格にこだわらないという方は、ぜひ健幸料理倶楽部にご参加ください。
 
 菱は、池や沼などに生えているヒシ科の水草で、ヒシ、オオビシ、ヒメビシ、トウビシなどの種類があります。忍者が使う撒菱は乾燥させたヒシの実を撒いていたのが始まりだそうです。葉の形や実の形は、図形の菱形の由来となっています。菱餅や社名や御紋などに使われるように、古来から日本人にとって身近なもので、飢饉の時の救荒作物としても重宝されていました。最近では、焼酎の原料になったり、高級料亭で出されたりする程度で、食材図鑑でも載っていません。
 
 ヒシの実は、硬い殻に包まれていて、中の白い果肉を食用とします。よく洗って、水から塩を加えて茹でます。数時間以上水に浸してから蒸しても美味しいです。加熱すると真っ黒になります。デンプンが約50%含まれているので、しっかり茹でるとホクホクとした栗のような味がします。軽めに茹でるとシャキシャキ感が残ります。料理の用途によって茹で時間を調整するといいでしょう。炊き込みご飯や炒め物にする場合は、沸騰してから10分くらい加熱します。柔らかくしたければ、20~30分茹でます。茹でたらザルにあげて、水に浸けて早く冷ました方が剥きやすくなります。中国料理では、鶏肉との炒め物がポピュラーです。滋養強壮、健胃効果があるとして、漢方でも利用されてきました。また、免疫力を高める成分や、抗がん作用、鎮痛効果があると言われています。実を砕いてお茶としても飲まれています。
 
 タイでは、市場や道端で茹でられたものが売っていますが、やはり年々少なくなっているようです。頼めば割って味見させてくれることが多いので、目にしたらぜひ食べてみてください。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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