コラム タイ野菜でべジフルライフ 第79回 ツボクサ(ブアボック)

タイ野菜でべジフルライフ

第79回 ツボクサ(ブアボック)

ツボクサ/ゴツゴラ
Gotu kola
บัวบก(ブアボック)

 私は、今でこそサプリを利用することはほとんどありませんが、健康オタクになりたての頃には、ビタミンC、マルチビタミン、イチョウの葉、フィッシュオイル、カルシウム、コエンザイム、ブルーベリーなどなど、よいと言われるものはなんでも試していました。昔に比べて野菜の栄養が減っているので、食事だけでは限界があるからサプリを摂るべきだというどこかのエライ人に影響されたのもあります。日本にまだなかったアメリカのサプリ専門店がタイに出店していて、サプリを飲むのがちょっとしたファッションでもありました。本当にどれだけのお金をサプリに費やしたことか…。この先、一生こうやってサプリを飲み続けるのかと考えたら怖くなり、そもそも健康だったので効果がよくわからず、いつの間にか飲まなくなっていました。その後、野菜ソムリエの授業で、ガンに効くとされるβカロテンを野菜で摂ると効果があるけれど、サプリではかえってリスクが増えるというレポートがあることを知り、サプリを手にすることはなくなりました。
 
 そういえば、サプリ専門店で、聞いたことのない「Gotu Kola」というインドかどこかの植物のサプリがやたら売り場で大きな顔をしていました。気になって調べてみたら、ツボクサのことだと知ってビックリ! タイではとても身近な食材なのに、サプリにしてまで摂りたいほどの効能をたくさん持っているとは驚きでした。WHO(世界保健機構)が、「21世紀の驚異的薬草」として「保護すべき薬用植物の中でもっとも重要なものの一つ」に位置付けているそうです。今回は、そのツボクサについて解説してみましょう。
 
 広く世界中の道端や野原に自生するセリ科の多年草です。日本では雑草扱いですが、中国では「積雪草」という漢方に利用され、長寿の薬草と言われています。また、インドのアーユルヴェーダでは「最重要な若返りの薬」と呼んでいるそうです。チドメグサが立派になったような、蕗の葉が小さくなったような形で、葉も茎も硬めです。効能は多岐にわたり、疲労回復や免疫力の向上、血行を良くして血管を強くし、脳細胞や神経を活性化させる働きもあります。また、貧血、ぜんそく、気管支炎、コレラ、はしか、便秘、下痢、皮膚炎、アレルギー、めまい、月経困難症、ウツ症状、不眠症、吐血、痔、肝炎、高血圧、潰瘍、腎炎、神経痛、尿道炎、解熱、鎮痛、静脈瘤などの症状を改善します。湿布として傷、やけどにも効果があり、日本で販売されている400を超える化粧品にツボクサの成分が利用されているそうです。知らないうちにお世話になっているかもしれませんね。
 
 まるで万能薬のような勢いで書ききれないほどの効能がまだまだ言われていますが、サプリ以外で食べるにはどうしたらいいでしょう。残念ながらスーパーで目にすることはほとんどありませんが、青汁のようなジュースになってあちこちで売られています。見た目ほど苦くはありませんので、ぜひトライしてみてください。その他、タイ料理ではヤムにして食べられています。硬いのがちょっと難点ですが、セリやミツバのかわりになりますので、汁ものに入れたり、和え物にしたりするといい風味が出ます。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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