タイ野菜でべジフルライフ

第6回 チャオム

チャオム
ACACIA
ชะอม (チャオム)

連載開始から半年、「読みました!」「挑戦しました!」とうれしい反響がある反面、「試したけどおいしくなかった」と言う方もいます。野菜にもご機嫌のいい悪いがあったり、ちょっと手順を変えるだけで別の味になることもありますので、1度の出会いで別れを告げずに、じっくりむきあってくださいませ。わからない時は、ご遠慮なくお問い合わせください。
 
v019-vegi002 ここで取り上げて欲しい野菜のリクエストを受け付けておりますが、タイに長い方から「チャオムっておいしく食べられないかしら?」と言われました。チャオム…ご存じですか? 日本語で「臭菜」と呼ばれる野菜で、タイ野菜上級編という感じなんですが…。「連載が続いてネタがなくなってから」とその方にはお答えしたのですが、要は、それまで買ってみたことがなかったのです。なぜなら、タイ料理以外の使い道があるとは到底思えないのです。主にチヂミのような卵焼き(揚げ)にしてナムプリックをつけるか、それごとゲーンソムというスープに入れて食べられています。ネギのようなキノコのような、温泉の硫黄のような独特の香りで、「サトー」というタイの巨大な豆のニオイにも似ています。台所から腐った臭いがすると焦ったら、チャオムだったということがありました。そんな野菜を取り上げるのは躊躇しましたが、実は、恐る恐る料理してみたらおいしかったんです。その後、ヘルシーランチ会でお客様にお出ししたら好評で、すっかりハマッてしまった方もいらっしゃるほど。ニオイのせいで好き嫌いが分かれそうですが、苦手という人も3回食べるとクセになるかも…です。それだけ不思議な魅力のある野菜です。
 
 タイ人によるとタイ原産だそうですが、東南アジアや中国南部で好んで食べられています。どこも同じように卵焼き風にして食べているようで、卵との相性がよいのでしょう。チャオムは、アカシアの木の一種で、新芽の柔らかいところを食べます。アカシアといえば、鋭い棘のあるキリンの大好物ですが、チャオムにもしっかり棘があります。料理の際には、棘のある枝の部分をまずカットしましょう。先端の方から枝にそってしごくと、葉がパラパラととれますので、その部分を利用します。チャオム好きは、生食で香りを楽しみ、酸味が出て香りの強い雨季に好んで食べるそうです。さっと茹でると、ニオイほどのキョーレツさはなく、甘みすら感じます。大量に口に入れると舌触りがあまりよくないので、サラダのようにモリモリという感じではないのですが、ちびちびと食べるとやめられなくなるクセがあります。茹でて水気を切り、塩とオリーブオイルや胡麻油で和えるとおいしさがよくわかります。そこにひじきと唐辛子を合わせたら彩りもよくお酒がすすみました。青菜料理と同じように使えますので、マヨネーズやドレッシング、ワサビやゴマ、豆腐なども合います。ご飯にパラパラと混ぜても妙においしく、炒めてもよかったです。チャオムが日常使いできるようになると、タイ野菜にかなり精通した気分になれそうです。抗がん作用のあるβカロテン、ビタミンB2、ビタミンCが豊富ですので、ぜひ、食卓に登場させてみてください。ちなみにご購入の際は、見た目がそっくりのグラティンという野菜もありますので、棘やニオイで見分けてください。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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