コラム お金の知識を高めるコラム Vol.1
お金のことをしっかり考える時代に

お金の知識を高めるコラム

Vol.1
お金のことをしっかり考える時代に

 日本では、投資教育も進んでおらず、金融機関も積極的に商品を開発してこなかったことや、昨今のマイナス金利政策もあり、資産運用はあまり注目されないで来ました。もちろん、資産を増やすことに熱心な方もいらっしゃいますが、「資産運用」というと、「濡れ手に粟」という言葉のように、苦労しないで得た不労所得のようなイメージがあり、まだまだ、しっかりと取り組んでいらっしゃる日本人は多くはないと思います。

 一方で、私が拠点とする香港では贈与税や相続税が課されません。投資から得たキャピタルゲイン(譲渡益)や配当金に対しても課税されません。従って香港の富裕層は税金については悩みが少なく、資産をどう増やすかに注力するようになります。そうすると資産運用に対する金融機関への要求や期待も高くなるというわけです。こうした背景もあり、香港では、世界中のより広い運用機会を得られるようになり、それが運用資産を呼び込み、金融センターとして急速な発展をもたらしました。

 本当に日本人は投資を考えなくていいのでしょうか? 日々の生活や趣味娯楽、車や住宅にもお金は掛かります。長期で見ると、学資や老後にもお金は必要です。今、ある程度の目処がついているという人でも、望む以上に長寿になることはありえますし、インフレや円安という、見通せない要因にも生活が左右されることは起こるかもしれません。こうした事態に、一定程度の「備え」を持っておくことは、とても重要なことです。

 節約や貯蓄で、これらを賄うことができれば、それはそれで結構なことですが、低金利の環境のもと、貯蓄だけでは覚束ないというのが現実ではないでしょうか?そこで、大事なことはお金にも働いてもらう「資産運用」が重要になってきます

 実は、資産運用に経験のあまりない方でも、実は、ほとんどの方が資産運用を経験してきています。企業にお勤めの方は、企業「年金」として、将来の年金というキャッシュフローを作り出す仕組みの一部を担っています。個人でも、「保険」の形で、死亡保障以外の貯蓄保険や学資保険の形で、資産運用に相当することに取り組んでいます。ところが、「運用」実感もなく、「成果」も実感できていない、というのが実態です。本号から、数回に分けて、「資産運用」について寄稿しますので、一緒に考えていただく機会を持っていただけたらと思います。

長谷川 建一

Nippon Wealth Limited, a Restricted Licence Bank(NWB/ニッポン・ウエルス・リミテッド), CIO(NWBは、香港金融管理局より「Restricted Licence Bank」免許を認可された金融機関です)

京都大学卒、MBA(神戸大学)。 シティバンクグループ日本及びニューヨーク本店にて資金証券部門の要職を歴任後、シティバンク日本のリテール部門やプライベートバンク部門で活躍。 2004年末、東京三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)に移籍し、リテール部門マーケティング責任者、2009年からは国際部門でアジア・リテール戦略を担い、2010年は香港にてBTMUウエルスマネージメント事業の立ち上げに従事。 2013年にはNWBを創業し、COOに就き、2017年3月よりCIOを務める。

寄稿中

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