コラム 30歳からの群れない媚びない生き方 第5回 30歳からの群れない媚びない 生き方

30歳からの、群れない、媚びない生き方

 先日、ヤンゴン時代の知人の訃報を受け取りました。
 まだ40代半ば、奥さまとお子さんを遺しての突然の旅立ちに、ご本人の無念、そしてご家族の気持ちを思うと、本当にやり切れない気持ちになります。 医師の友人に「なんでこんなことが起こるのか」「防ぐことはできないのか」と痛惜な気持ちをぶつけたところ、返ってきたのは、「それは誰にでも起こりうることだ」という厳しく現実的な答えでした。 突然訪れる命の終わり ――これは、私にもあなたにも起こりうることなのです。 今、私の命が終わるとしたら、息子の成長を見届けることができないことが唯一の心残りだろうと思います。40年の自分の来し方を振り返ってみると、息子の命をこの世に送り出したことが自分の人生における最大の偉業。この先あと40年生きるとしても、これを上回る経験があるとは思えないから、今、死んでもいいような気もするし、だからこそ、死にたくないとも思うのです。
 「こういうことが起こりうるから、家族離れ離れっていうのも考えものだよね」、昨年、仕事関係の方がやはり異国の地で亡くなられたとき、当時の上司にこう言われました。じゃあ、自分のやりたいことを犠牲にして家族一緒に暮らすことを選ぶのか? と考えてみると、起こるか起こらないかわからないことのために、「今」を犠牲にするのも何かちがうなと思い、現在(=夫と離れての海外母子生活)に至っています。 つまりは、どんな環境におかれていても「今を懸命に生きる」しかないんですよね。他人の目を気にしながら生きるなんて馬鹿げてる。自分のやりたいこと、大切なこと、必要だと思うことに時間とエネルギーを注いでいこう。 明日、死ぬかもしれない ――そう思いながら生きているつもりでも、日々の生活に流されていると、死のリアルってどんどん薄れていきます。時折り訪れる大切な人の死は、本当に悲しいけれど、私たちに「今を生きる」ことの大切さを教えてくれているのではないでしょうか。 Carpe Diem(今を生きる) ――このコラムを書いていて、私たち夫婦の結婚指輪には、こう刻印されていることを思い出しました。あの時、ああでもない、こうでもないと言いながら、二人で決めたこの言葉の重みを改めて感じています。 故人のご冥福を心からお祈りします。

サノユキコ

慶應義塾大学卒業、ハーバード大学博士課程修了(国際開発専攻)。日本という枠にとらわれず、自分の志向、感性、価値観、ライフステージに合わせて “ほんとうに贅沢な” ライフスタイルを選ぶ Globaluxe(グローバリュクス)を実践中!

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